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「灰」

微睡みに解ける体温や
電灯の色が気になって
さりげない言葉を握る

こんなできたばかりの心にも
銀色の灰が付着して
朝の風が攫ったな

きっと手を翳すように容易く
明日もまた同じだろか

窓に滲む記憶のなか
海に還る魚のように
きりのない夢を知る

こんな皺がれた心にも
銀色の灰が付着して
風が振り撒く 寂しい景色を見た

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