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ビジコンなどの「チームで発揮できる」リーダーシップについて

(早稲田大学マーケティング研究会×株式会社博報堂)

1.はじめに

こんにちは!早稲田大学マーケティング研究会(通称:まーけん)です!

前回に引き続き、株式会社博報堂の兎洞武揚様へのインタビュー内容となっております。
リーダーシップ編②となる今回は、ビジネスコンテストなどのチームにおけるリーダーシップに焦点を当ててお話を伺いました!

ビジコンで直面しがちなトラブルとその解決法など、これからビジコンに参加されるみなさんにとって、有益な情報が盛り沢山となっています!

ぜひ最後までご覧ください!

リーダーシップ編①はこちらから↓↓

https://note.com/waseda_marketing/n/n644db0edbc37

2.インタビュー

ビジコンなどで普段接点の少ない人とプロジェクトを行うときのリーダーシップについて


ーー初期の段階ではどのようなコミュニケーションをとると良いのでしょうか。


 ビジコンというプロジェクトは、ある目的を持って進んでいきます。この目的に沿って一緒にやっていくっていうことは、もちろん大事だとは思うのですが、それと同時に「一緒にやっていくメンバーの関係の質を作っていく」ということが非常に重要です。

 関係の質を作っていく時に、「自分はどんなことを大事にしているか?」「このプロジェクトと自分の関わりはどんな部分で繋がっていて、重要なのか?」という話をお互いに最初の段階で共有します。

これをすることで、長いプロジェクトの間も本当にお互いを理解し、自分には一見理解できないような行動や思考も許せるようになります!
「あなたはこういうことを大事にしてるから、そういう動きになるね」という風に腑に落ちるので、許し合えたり、サポートをし合えたりすることができるんですよね。

各メンバーがプロジェクトの目的との関係において、「何を大事にしてるのか」ということをみんなで理解する。それがすごく大事な気がします。

ーーこれが意見を出しやすい環境を作ることにも繋がるということですね!

その通りだと思います!

ーーちなみに兎洞さんは実際に目標達成のしやすいチームを作るためにどんなことを行っていますか?

 必ず、なにか仕事が来た時はチームを編成するわけですが、私くらいの年になると、そのチームのプロジェクトのリーダーになるっていうことが多いです。

同じような話になりますが、その時に自分がよくやることとしては、「この仕事に対して、自分がどこを成長ポイントとして考えるのか」を全員で話して聞き合うということです。

勿論、仕事ですので、クライアントのニーズに応えることは重要だと考えています。しかしそれはビジネスゴールであって、チームメンバーそれぞれにとっての個人的なゴールとは異なります。

ですから、お互いがこのプロジェクトに対して「どこを成長ポイントとして捉えているのか?」を共有することでそれぞれの人にとっての仕事の意味というものを理解し合えると思います。

ちなみに「成長ポイント」というのは、具体的に説明すると、「自分は今回こんな経験を積みたい」「自分のこんな部分を成長させたい」というようなことです。

そして、プロジェクトが終わった際に、最初に共有した「どこを成長ポイントとして捉えているのか?」ということを振り返ります。ここも非常に重要なアクションだと考えています。


数十人規模のグループでのリーダーシップについて

ーー数十人などの大規模の人数でのリーダーシップの違いはなんでしょうか。

 プロジェクトチームのような小規模な人数だと、1人ひとりに関わることができますが、数十人規模になると、先ほど話した方法で「自分にとってこの仕事の意味は何か?」ということを、1人1人と話すことは非常に難しいです。

数百〜数千人になったら、ほぼ不可能ですし、企業によっては数万人みたいな規模で動くこともあるかと思いますが、そうなると、1人ひとりと話すことはできないと思います。

しかし、規模感が大きくなってもリーダーは「会社として大事にしていること」は伝えられると思います。

そして社内において「会社が大事にしてることと自分はどういう関係にあるのか?」ということをそれぞれのチームや部署において話す場をセッティングすると言うことはできると思います。

以前博報堂の社内で行ったもので言えば、「未来を発明する会社へ」という当時のビジョンを作った時に、社員が一堂に、東京と大阪に分かれて集まって、『「未来を発明する会社へ」というビジョンと、自分がどういう関係にあるか』ということを話していくことをやりました。

リーダーである自分が直接関わることができないとしても、この関係を考えてもらうための仕組みのセッティングは、どんどん生み出していくことができると思います。

ですから、先ほどの「会社が大事にしてることと自分はどういう関係にあるのか?」ということを語っていくためのデザインと、それをどう具現化するということを考えられることが規模感が大きくなった時のリーダーシップにおいて重要であると考えています。


ーー兎洞さんがリーダーシップを発揮する場面で、逆にやってみて失敗だったと感じたことはありますか。



 人を信頼してない状態で判断をしてしまうというのは、 やめた方がいいなと思っています。なぜなら、その人の可能性を信じてないということになるからです

これは冒頭でお伝えした「リーダーシップとはその人の可能性を開花する」ということと関係してくる話なのですが、

このインタビューの前に、今担当している案件の関係者の方と会議をしたのですが、会議に入る直前まではまさにこの方に対してきっと理解してもらえないだろうと「信頼していない状態」でした。しかし、会議が始まり最終的に、信頼した気持ちで、先方の意向とは異なる提案をしました。

正直怒られるのではないかと思っていましたが、自分の思いや熱意を伝えて「まずはやってみませんか?」というお話をしたら、この方は「あ、それいいですねって言って、じゃあやりましょう」と言ってくださったのです。

近くにいたメンバーも驚いていましたが、私自身は非常に嬉しかったです。 それと同時に人の可能性を見限るということの恐ろしさも感じました。相手の可能性を見限るっていうことをやってしまうというのは、失敗だと改めて認識する良い機会になったと思います。

ーービジコンのグループ活動において発生する様々なトラブルでのリーダーシップの発揮の仕方を教えてください。

それぞれの表面的な原因は見えやすいと思うのですが、本当の原因が何なのかということを把握するのは非常に難しいと思います。

(リーダーシップ①の記事で扱った)「動的な状況の中で、どっち側に今いるのだろう」みたいなことにちょっと視点を当てて、そこで上手く気づきを得ていくのが良いかもしれません。

ーー参加率が悪い時



まず、「本当のメンバーなのか?」という視点があるかなと思います。
プロジェクトの目的と各メンバーの関係という点で、あまりリンクしていない場合、「取り敢えず参加しただけ」ということがあり得るのではないでしょうか。

そういう意味でも、メンバー内でお互いに「プロジェクトの目的と自分自身の関係」について共有しておくことが大切だと思います。

ーー話し合いが行き詰まった時


 「話し合いが行き詰った時こそ、問いの力を発揮しろ」というアドバイスができるのかなと考えています。

その上で、まず「どういう問いを置くか」ということが非常に重要となってくると思います。そして、もう1つ重要な点として、「身体性を入れる(体を動かして考える・気分転換をする)」があります。

少し別の視点での話ですが、話し合いの時に沈黙があると思うのですが、沈黙が重要な時もあります。

「今誰も話さない状況だ」ということをみんなが受け入れて、その時間を過ごすことが必要なこともあるんですよ。

沈黙って、気まずいっていうこととセットになりがちですが、 でも沈黙してるということは、沈黙せざるを得ないってことだと思うのですよね。

ですから、沈黙は悪いものと思わないでほしいです。

「メンバー全員がその価値観を共有する」ということは非常に大事なことですので、いつもいつもエンジンをかけてぶん回して走ってるだけがいいことじゃなくて、その沈黙の中でたくさん考えるその時間がとても大切な時間であることを知っていてほしいです。

ーーいいアイデアが浮かばない時

これはもう博報堂の人たちは嫌っていうほどわかっていることだと思うのですが、アイデアは考え抜いた人だけに降りてくるものです。

どんな天才だろうと、もう考えて考えて考えて、これ以上考えられないっていうぐらい考えて、それでリラックスした状態に入ると、ふとアイデアが思いつくものなのですよね。

ですから、いいアイデアが浮かばない時はまだ考え抜けていないかもしれません。(笑)

イメージとしては、考え抜いてもうこれ以上無理だと思って、お風呂に入ったり、1回散歩したりするということがあった時に、ふとアイデアが降りてくる感じです。

もう1つは「他のインテリジェンスを使う」ということです。具体的に説明しますと「マルチプルインテリジェンス」という概念があります。

人には8つぐらいの才能(インテリジェンス)があるとされていてアイデアが出ない時って、言語のインテリジェンスだけを使っている場合が多いです。

先ほど言った散歩をする時や歩きながら話す時などは「ムーブ」を使ってるわけですよ。
だから、ちょっとマルチプルインテリジェンスを持ち込みながら話をするとアイデアが出てきやすくなるかもしれません。

ーー最後に、これからビジコンの参加を控えるマーケティング研究会のメンバーへのメッセージを一言お願いします。

「違う意見にぶつかることを楽しもうよ」ということですね。

自分が考えてなかった、色々な意見を持ってる人がいるわけですが、もしかしたら嫌な気持ちになるかもしれないし、「うわ、すげえ」ってこともあるかもしれないし、もしくは「全くそういう価値観俺にはないわ」と思うかもしれません。

そのようなことも含めて、全部それを楽しもうよ!ということをぜひ伝えたいです。

3.おわりに

いかがでしたでしょうか?

今後ビジコンに参加する皆さんがリーダーシップを発揮し、より良いグループ活動に繋げられるヒントが得られていたら嬉しいです!

次回は兎洞さんが現在取り組んでいらっしゃる、ブランド・イノベーションデザインというお仕事について詳しくインタビューさせていただいた内容をお届けします!

あまり馴染みがないという方にとっても興味深い内容となっています。次回もお楽しみに!

そして最後にお願いがあります!早稲田大学マーケティング研究会では、Twitter・Instagramの投稿を積極的に行っております!

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