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100年前の料理本を訳してみます2-イントロ

 では早速中を見てみる。
 まず見返し。壁紙みたいなデザイン。よく見ると食材がモチーフになってる。魚、エビ(ザリガニ?)、シカ、鳥。

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 ここをめくると標題紙。

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上から
ヘンリエッテ・ダヴィーディス=ホレ
実用的料理本
日常のおよび洗練された料理のための

特に料理初心者と家庭の主婦となる方々向け
改訂および出版
ルイーゼ・ホレ

第48版
カラー図8枚と解説用図解51部付き

ビーレフェルト、ライプツィヒ 1915年
フェルハーゲン・ウント・クラーズィング出版

 次に前置きと序文。左のページの真ん中に小さく書いてあるのは、「複製禁止」

はじめに

前置き
ルイーゼ・ホレが20年以上の間改訂作業を重ねてきた、ダヴィーディスのこの料理本のみがオリジナル版であり、料理本の模範として幅広く評判を得ている。
 今回出版する同書の第48版では、調理法について今日の料理環境のあらゆる側面を照らし合わせ改訂したものである。現在見られるダヴィーディス料理本の多数の複製版については、ヘンリエッテ・ダヴィーディスの生前、つまり30年以上前に出版された版に基づいたものでなければならないが、これらは当然、今では完全に内容が古くなっている。そのため、ご購入の際は長年読まれてきたオリジナルのダヴィーディス=ホレ本をお求めになるようお願いしたい。
                               出版社

第48版に向けての序言
 未熟な主婦を絶対に裏切らない指南書であり、熟練の主婦が特別な行事用の料理をする際に示唆を与え、助けにならなくてはならないという点において、信頼性が大きな意味を持つものは料理本以外にありません。
 よい料理本とは、「貴重な時間」に配慮し、現代的な栄養学をふまえたものでなくてはなりません。改良すべき点を反映させ、重要な調理技術の一部である、残り物の活用法にも細心の注意を払い、病人食も忘れてはならないのです。

このダヴィーディス=ホレ料理本改訂版は、上記の点を考慮して全面的な見直しを図り、より明解さ、整然さを追求し、また食料品価格の高さを考慮して調理上の規定を多数、簡素化しました。ヘンリエッテ・ダヴィーディスが、定評のあるすぐれた料理本を書くにあたり基盤とした部分は、彼女の意志を汲み、時代に合わせて充実させてきました。実証済みの革新的な料理技術や、海外との交流がもたらすかつては想定もできなかった豊富な食料品は、変化に富んだ調理法を通してその価値が認められています。

しかし、ダヴィディス=ホレの料理本は、既に知られた調理法をやみくもにまとめたものではなく、調理法は著者自身が試し実証したもののみを掲載し、編集者独自のレシピも多数含めた、真に実用的な料理本です。

 戦争が勃発した時、この度の新版は、すでに印刷済みで私の手元にありました。この戦争のおかげで私たちの料理環境には制限が課されました。そして、ドイツ料理に昔から使われ、好まれている材料のいくつかは、敵国で生産されているため入手が不可能になりました。とりわけ「リービヒの肉エキス」と「モンダミーン」がそうした食材になり、ドイツ製の代替品を使わなくてはなりません。幸い同等の代替品を得ることができ、リービヒの肉エキスの代替品としては、ブレーメンの食品製造会社Dr. G・メーアテンスのドイツ製ブイヨンエキスがとても安く入手でき、またシュルテ・ウント・マイアーのドイツ製肉エキスもよい商品で安価です。モンダミーンの代替品としては、ビーレフェルトのDr.エテカー社のグスティーン、そしてハレのエッガース社製ツェアニンがおすすめです。個包装されていないコーンスターチも、数多くある簡単な調理の料理にとてもむいています。

 料理法そして栄養学分野の進歩にどれほどの改良が必然であったにせよ、ダヴィーディス‐ホレの料理本は昔も今も料理本の中の主導的存在です。この本の構造と基本的な特徴は、古く、信頼のおける、未だ他の料理本の追随を許さないダヴィーディス流そのままであり、今後幾度版を重ねてもそうあり続けるでしょう!

 1014年12月、ブレーマーハーフェンにて
 ルイーゼ・ホレ

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これで序文は終わりです。訳は後で手を加えるかもしれません。
次は目次ですが、その前に序文に出てきた商品や会社について調べてみます。
では。

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