勿忘/花緑青ボトルコーヒー

勿忘/花緑青ボトルコーヒー

マガジン

  • ベッドの下で待ってるね/書き散らし

    勿忘書き散らし録「ベッドの下で待ってるね」 短編集だと思って、ゆるく読んでください

最近の記事

村上春樹風にご飯食べたかっただけなんです。

やれやれ使いすぎですよね。やれやれ。 よりそれっぽい村上春樹構文を思いついた方は教えてください。 僕はトンカツを食べながら、隣に座っている客に目をやった。二人組の女性客で、ひとりは群青色のレースの着いた服を着ていた。もうひとりは、市内シルバーランニングのメンバーみたいな薄紫のシャツを着ていた。どちらも歳は五十代といったところだろうか。  僕がトンカツの最後の一切れ(いちばんソースがよくかかっているやつをとっておいた)を頬張ろうとしたとき、女性客の料理が運ばれてきた。よく熱

    • リフィカ

      リフィカという女の子がいました。 リフィカは花を、その日初めて知りました。 とても綺麗な花でした。 摘もうとすると、花はすぐに萎れました。 リフィカは泣きました。 夜通し、夜通し。 夜通し、夜通し。 リフィカは泣き止みました。 リフィカはまた花を見つけました。 リフィカは、花を踏みました。 ぐりぐりと、強く踏みにじりました。 次の日、リフィカはまた花を見つけました。 踏みました。 リフィカは毎日花を踏みました。 踏んで、踏んで、踏みました。 リフ

    村上春樹風にご飯食べたかっただけなんです。

    マガジン

    • ベッドの下で待ってるね/書き散らし
      2本