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湖上の時間

島のピザ屋の3月は忙しい。
年末年始やゴールデンウィーク、お盆などの大型連休はもちろんだが、3月は毎日たくさんの人が来てくれる。春休みというのもあるだろうし、仲間との想い出を作りたい季節なのかも知れない。ほぼ毎日売り切れになる程たくさんのお客さんが来てくれた。

店主と僕は、3月を無事に終わり、新しい挑戦が始まる4月を前にリフレッシュ釣行に出かけることにした。

場所は金砂湖。
四国の真ん中、愛媛県四国中央市にある山上湖で、昨年初めて訪れて以来何度も通う、少し遠いけど僕たちのローカルフィールド。

道中、今年初めての満開の桜と菜の花を楽しみ、霧に包また山は僕たちにいつもと違う空気を届けてくれる。ボートを下ろして一息ついて辺りを見回す。春の鳥たちが飛び、谷は澄んだ水を届ける。時折強く吹くが春の風は暖かい。
久しぶりの金砂湖は、僕たち2人を歓迎してくれているような気がした。

この日を心待ちにしていた。

忙しいとはいえ、ほぼ毎週ボートを引っ張り旧吉野川に出かけていた。これまでは相棒が出場するトーナメントフィールドに練習と調査ということもあり、少し気が締まっていたと思う。

金砂湖は僕たちにとって特別だ。
説明はうまくできないけど、湖上に浮かんでいるだけで、心に何かが満ちていく。もちろん釣果は申し分なく、バスたちは何度も僕たちと遊んでくれた。

数日前に、近い将来、この湖の畔で暮らすことを決めた。その上で、焦らず腰を据えて、この地から、僕たちが描いた理想のバスフィッシングに取り組んでいこうと思う。

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