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高気密・高断熱の盲点 夏場の注意とは

エアコンが効かない!高気密・高断熱の夏場の盲点についてお話しします。

猛暑の中での診察

 最高気温が40度近い日が続いた時のことです。4日ほどクリニックを閉めていました。その間にエアコンを切っていました。
そして朝の10時前にクリニックに入りました。
「意外と涼しいじゃん。でも室温は32℃か。外気温が40℃近いからしょうがないか」
それからエアコンをフルパワーで起動させました。設定温度は19℃にして、風量マックス。いつもなら1時間くらいで、ちょっと暑いけど汗は出ないレベルにまで冷えていました。

でもこの日は全然冷えない。30℃を下回らない。
患者さんの診察は12時からなのに、
11時50分くらいでやっと29.8℃・・・やばい。
とうとう患者さんが来院されました。
「エアコンが効いてませんが、少しすれば効いてくると思いますので」
と言って診察を開始。
でも、全然冷えない!
診察が1時間たって、なんと室温が30℃に上昇!なんでーー。
CO2も1000ppmを超えてしまった!

診察が終わるまで暑いままでした。
患者さんに不快な思いをさせてしまいました。
暑い中、我慢させてしまい本当に申し訳ない…。

エアコン切っちゃダメ!

 原因は連日の猛暑で4日もエアコンを切ったままにしたことです。
高気密・高断熱の建築はいい意味でも悪い意味でも熱を逃がしません。室温の変化が緩やかです。
この日までは
出勤してエアコン起動 → 就業後にエアコンoff → 次の日に出勤してエアコン起動
このサイクルで稼働させていました。エアコンを稼働させない日は空いても2日程度でした。そのため、冷えた空気が温まる前にエアコンを再起動させていたようです。

 しかし、外気温40℃を4日間放置すると話は違いました。
高気密・高断熱であっても室温が上昇します。
上昇した室温を熱交換システムが維持してしまう!熱を逃さないように頑張ってしまう。
上昇した室温が上昇したままになる。
こんな感じで室温が上がったまま維持されてしまったようです。

今までにない高湿気

 原因がはっきりしないのですが、この日だけ妙に湿度が高かったです。今まで室内はカラッとしていて爽やかだったのに。
あくまで素人の考察ですが、エアコンを切っていた期間が長く、外気も高湿度であったため、外気に連動するように湿度が上昇してしまった。
そして猛暑によって、基礎や躯体に残った湿気が蒸発したのでは。セメントや構造材をどんなにしっかり乾燥させても、水分を完全にゼロにすることはできません。わずかに残った湿気が、猛烈な外気温と今までにない室温の上昇で蒸発し始めたのでは、と考えています。
湿度は温室効果があるため、同じ気温であってもより熱く感じやすくなります。

人数が多かった

 この日は患者さんがご家族で来院されたため、いつもよりも建物内部の人数が多かったです。高気密・高断熱だとひとり増えただけで、室温に影響します。高性能故の悩みです。
収容人数が多かったため、室温が下がらず、むしろ上昇してしまったようです。

そして10帖に5人だと、さすがにCO2濃度が上がってしまいます。
CO2は温室効果ガスなので、さらに室温が下がりにくくなってしまった。

 この反省を踏まえ、この日からエアコンを切っていません。
だから超快適です!まるで洞窟にいるような感じの涼しさです。
エアコンで無理やり冷やしている感じが一切ない!風邪をひかない涼しさ、といった感じです。
エアコンもそれほど頑張っている感じがないので、電気代にも影響が少なそうです。
今までの電気使用量は1カ月あたり130kWh前後なので、歯科医院では驚異的に省エネです。エアコンを切らないことが電気使用量にどう影響するか。省エネであることを期待しています。


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