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アドラー心理学に学ぶ「褒められて伸びるタイプ」のモンダイ【わたちゃんの、まったりビジネスコラム】

週1回通っている「ヒーリングヨガレッスン」に加えて、今年から「やさしいエアロ」もはじめた、わたちゃんです。先生から「ワタナベさん、今日は、だしてチョン、だしてチョンのステップがしっかりできてましたよ!」と褒められると、俄然モチベーションが向上して「次回もレッスンに参加しよう!」と思ってしまいます。そう、僕は褒められて伸びるタイプなのです。

アドラー心理学とは、
オーストリアの精神科医であるアルフレッド・アドラー (A.Adler)が創始し、その後継者たちが発展させた心理学の理論、思想と治療技法の体系です。昨今では、「嫌われる勇気」や「幸せになる勇気」などのアドラー心理学に関する書籍がベストセラーとなり、広く認知されました。これらの書籍には、多くの人にとっての悩みのタネである人間関係について前向きに捉え、関係を構築できるようになる考え方が紹介されています。

その中のひとつが「課題の分離」です。
これは「他人が自分をどう評価するかは他人の課題であり、自分の課題ではない。他人の課題と自分の課題を分離しないで他人の課題に介入することは、他人の評価を気にして、評価を上げるための行動に陥ってしまう」というものです。
親子や上司部下の関係に適用すると「勉強や仕事をしない場合に将来困るのは本人であり、本人の課題である。したがって親や上司は叱ってはいけない。叱って勉強や仕事をさせるのは相手の課題に対する介入である」となります。
もちろん、相手の課題を解決するための支援をすることは必要ですが、「叱られるのが嫌だから勉強する、仕事する」という結果を導いてしまえば課題が分離されていないという解釈になります。コーチングにも通じる考え方です。

しかも課題の分離では、褒めてもいけないのです。
褒めて勉強させる、仕事させることは、相手にとっては叱られるのと一緒であり、褒められるから勉強する、仕事するという結果になり、相手の課題に介入しているということです。道に落ちているゴミは、人が見ていようがいまいが、褒められなくても自発的に拾うことが自然なことで、そこにこそ幸せを感じることができる、と同氏は論じています。

アドラー課題の分離

これは、アドラー心理学のもうひとつの考察「共同体感覚」の考えにも通じています。
つまり、叱ることはもちろんのこと、褒めてもいけない、褒められることをモチベーションにして行動を起こしてもいけない、相手の評価とは関係なく、相手に貢献していることに充実感を得る。これが前向きにかつ幸せに生きるということになります。

ということで早速、実践です。エアロの先生にステップを褒められてモチベーションを上げることをやめて課題を分離してみます。

「このステップが上達することで、僕はメタボから解消され、医療費を削減することによって国民健康保険の国家財政への負担軽減に貢献します。これにこそ僕は幸せを感じて生きることができるでしょう」……

そうは思ってみたところで、やはり優しい先生に褒められるとやる気を出してしまうのです。アドラーを実践できるまでもう少し時間がかかりそうです。

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