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東アフリカ最凶都市ナイロビで盗難にあいかけた話


先日、ナイロビに上がった際に任地では行けない飲食店にいくつか訪問しました。しかし、ナイロビは南アフリカのヨハネスブルクと並んでアフリカ大陸では、犯罪率の高い街、石を投げれば物乞いか強盗か悪徳警官に当たる、と言われており夜間はおろか日中も屋外を歩くことは危険とされます。私の所属するJICAでも、「徒歩移動禁止」「10時以降の外出禁止」「カジノ・ナイトバー等への立入禁止」と厳格に安全管理上の制限がある場所です。
危険な場所とは承知しつつ安全管理に留意しながら、少し暗い目の居酒屋に食事に行きました。一人、カウンターで飲んでいると、同じくカウンターで一人飲んでいる黒人中年男性に声をかけられました。少し、話をすると彼はコンゴからきた男性でジェームス・コンゴと名乗りました。コンゴ出身で、氏名に「コンゴ」が入っている、氏名に国名が入っているなんて、ケニアではジョモ・ケニアッタ大統領しか聴いたことがありません。容姿・話し方・名前・雰囲気全てにおいて怪しさの漂う人物でした。「番号交換しようぜ」というので、怪しいとは思いつつ交換しました。

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ケニア人は、意外とプライバシーリテラシーが高く初対面ではなかなか写真を撮らせてくれません。しかし、携帯登録時に登録用に誰の番号か忘れないように画像登録させてくれというと喜んで撮らせてくれる、というテクを覚えました。

彼の地元のコンゴの街では金が大量に採取され、その取引でナイロビに来ているとのことでした。ナイロビにいる金業者はすべからく怪しいということは聴いていたので、話し半分に聴きながら店を後にしました。


まだまだ、安全上の問題がない時間帯でしたので二件目のケニアで流行の音楽が聴ける居酒屋に移動しました。ここでも、カウンターで一人飲んでいたところ、私の左隣にニヤついた表情の酔っぱらいのおじさんが座りました。何やら私に話しかけていましたが、彼に背を向け無視しながら飲んでいました。その時、腰には携帯電話収納用のウエストポーチ、お金は安全管理上裸でポケット、パスポートコピーはTシャツ内の首掛けといういで立ちでした。おっさんに背を向けながら、携帯電話を触っていると、なにやら背後に違和感を感じる。
ん!?どうやら腰のポーチが引っ張られる様な、そうでもないような感覚を感じる。ポーチ全体に圧がかかっていないが、何となく釣り糸をひっかけて引っ張られているような感覚。あっ、ポーチのチャックについてる紐を引っ張られているのか!
この間実に0.2秒、左側に座るおっさんの方を90度身体を回転させて睨みつけると、何事もなかったようにニヤニヤしているおっさん。ポーチを見ると数センチほどチャックが開いている。
「ジジイ殺すぞ!死ね」
と日本語で言い残して、飲みかけのボトルを持って窓側のカウンターに移動しました。
後ろのボックス席では、20代と思しき若者たちが音楽を聴きながら雰囲気を楽しんでいました。店内は彼らと同年代の若者が、お酒と音楽を楽しんでいました。私も彼らと会話を楽しみながら、窓の外のナイロビの夜景を楽しんでいると、ふと横の方で違和感を感じました。違和感を感じた方に目をやると、40、50代と見えるおじさんとおばさんの黒人カップルが私と同じく窓際のカウンターでお酒を楽しんでいました。他の若者客とは違い、音楽を楽しんでいる感じでもなく、数本のボトルをカウンターに並べていました。
怪しい。
私は様子をみるため、飲みかけのボトルをカウンターに置いたまま、彼らが外を眺める窓際のカウンターを背にしてトイレの方に歩きだしました。そして、5歩ほど歩いた後に唐突に振り返り彼らの様子を見てみることにしました。
振返った瞬間ギョッとしました。彼らも身体を窓の外に向けたまま、首から上だけ振り返り私の方を見ており、2人と目が合いました。彼らが私を狙っていることを確信したため、席に戻った後は、彼らの方をずっと眺めていました。わざとらしく、カップルのふりをして何やチラチラこちらの見ながら耳打ちしているので「何見とんねんボケ!しばくぞコラ!」と声を荒げて日本語で怒鳴ると、諦めたのかどこかに消えていきました。
彼らが仲間を呼んでめんどくさいことになることを心配し、私も即刻店を出てドミトリーに戻りました。



ナイロビは危険な街、注意が必要です。

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