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土踏まずがうまく使えない選手へのマジックワード

僕(私)、扁平足なんです。

膝や足首の痛み、シンスプリントなどのケガに困っている学生アスリートのケガの評価をしていると結構頻繁に聞くこの言葉。

今回はこの扁平足についてのお話です。

扁平足とは?

土踏まずと床がべったり付いている

土踏まずが消失したものを扁平足といいます。

内側縦アーチという、いわゆる土踏まずが過度に低下している状態のことを指し、その状態でスポーツなど激しい運動をすることで様々な怪我の要因となると言われています。


起こりやすい怪我

例えば以下のような怪我に繋がりやすいといわれています。

  • 有痛性外脛骨(内くるぶしの下やや前側の骨が出っ張ってくる)

  • シンスプリント

  • 脛骨(スネの骨)疲労骨折

  • 鵞足炎(膝内側の痛み)

アーチの低下は下半身だけの問題だけに留まらず体幹部や上半身にも影響が出ることもあり、腰痛や肩の怪我が実は足の問題に起因するということもあります。

上行性の運動連鎖にも影響

上記の写真のように、土台が崩れることで上にあるものが歪んだり影響を受けるのは分かりますよね。


内側アーチの低下量をチェックする方法

ナビキュラードロップテストという舟状骨と床との距離を、座った状態と立った状態で計測するテストを使うことで土踏まずの低下度合いをチェックすることができます。

①まず、舟状骨の出っ張りにチェックをいれます。

丸をつけている辺りが舟状骨の出っ張り
内くるぶしの斜め下ぐらいに触れることができます


②次に座った状態で巻き尺などを使って床と舟状骨との高さを計測します

座った状態で52mm
立って荷重すると48mm

座った状態から立った状態を引いた数値が10mm以上だとテストは陽性となります。
この写真では52mm-48mm=4mmなので大丈夫ということです。

これらのテストで陽性が出る選手がスクワットや踏み込んだ動作をすると下の写真のような使い方になりやすいです。

足部が内側に傾いていしまう

こういった使い方でランニングやターンなどを繰り返し行うとある一定の箇所にストレスが集中しやすくなり、それが関節や骨、靭帯に炎症を生じさせる結果となります。


原因は?

色々な問題が考えられますが、よく言われるのが足のアーチをサポートしている筋肉の筋力低下です。また後脛骨筋腱の働きが低下することも原因の一つと言われます。

では後脛骨筋を鍛えるエクササイズを行えば治るのか?といわれるとそう簡単にはいきません(効果がない訳ではありませんが)。

身体は非常に複雑に働いており、パーツを直したからすべて上手くいくとは限りません。

ではどうするのか?
これは動きの中から修正していくのが手っ取り早いです。


動作の中で修正していく

動きの中での修正といっても実際のスポーツの中で意識するのは無理なので、エクササイズの中で修正していくのがスムーズです。

下のGIF動画はスプリットスクワットという足を前後に開いた状態でのスクワットで修正をかけていった様子です。

後半、姿勢制御による変化がみられる

序盤はぎゅーっと内側に倒すことで安定を図っていますが、後半になるとブレながらではありますが上手くコントロールしようとする様子が見られます。


修正するためのマジックワード

このエクササイズをする際にどんなキューイング(指示)をしたかというと、「土踏まずの下にダンゴムシがいるとイメージして、そのダンゴムシをつぶさないようにスクワットして下さい」と伝えました。

そうすることで選手は必死にダンゴムシをつぶさないようにアーチを確保しながら身体の使い方をコントロールしていきます。


エクスターナルキューとインターナルキュー

運動する際、身体の外側に意識をもって動作を促すような指示をエクスターナルキューといい、今回のような指示の仕方がそれにあたります。
逆に土踏まずが内に倒れないようにという指示はインターナルキューといいます。

どちらが正解とかではなく選手によって反応の仕方は異なりますので、選手に応じてキューを変えていく必要があります。

現場感覚だとこのダンゴムシキューイングは結構使えます(笑)。
内側のアーチが動作の中で落ちる選手はぜひ活用してみて下さい。

最後までお読みいただきありがとうございました。


この記事を書いたトレーナー

森 矩寿(JSPO‐AT)

渡辺接骨院

トレーナー派遣

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