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スラムダンクにやられる。

長く通っている美容室の美容師さんに「スラムダンク面白かったですよ」と教えてもらう。ほぼ同い年のその美容師さんが、結構な勢いで珍しく勧めてくれたのが「THE FIRST SLAM DUNK」だった。これは、観るしかない。

さっそく訪れたファクトリー。最近の映画館は、チケット購入も機械で行う。だから、買う時に、そのチケットに間違いがないか確認してくれる人がいない。ということもあり、急いで15:40のチケットを買ったつもりが、17:40のチケットを買ってしまう。また、やってしまった。51歳。失態。

「あの、これ、なんとかなりませんか」と係員の若い女性におそるおそる言ってみたら「無理です」と一蹴される。少し怖い感じの方だったのだが、よっぽど悲しい顔の50歳が哀れだったらしく「ちょっと待っていてください。上にきいてきます」と、席を離れて、上司に話をつけてきてくれる。親切だった。

かくして、スタート直前に滑り込んだ劇場は、ほぼいっぱい。映画館がこんなに埋まっているのを見たのは久しぶりだった。まずは、そっちのことが嬉しくなってしまう。たぶん、若い頃に「スラムダンク」を読んだ世代の親御さんが、子どもを連れてきている親子連れも多い。

上映中も、ぼくの後ろに座っていた小学生らしき女の子がお父さんに「この人なんでボウズなの」とか、「この人なんで髪長いの」とか、きいている。映画の最中も、いろんなところで笑い声が起きたり、鼻をすする音が聞こえたり。たくさんの人と映画を観てるな、という実感が湧いてくる。

中学生の頃仲間たちと見に行った小樽スカラ座の「コマンドー」「バタリアン」同時上映。なんだかよくわからないが格別にお目白い2本を、満席の劇場で立ち見した時を思い出す。あの時も終始劇場がザワザワしていた。たぶん、ぼくは、そのくらい賑やかな興行のほうが好きなのだと思う。

「THE FIRST SLAM DUNK」終演後、後ろの小学生がお父さんに「なんかよくわからないところもあったけど、すごかったね」と話していた。そうなんだよ。何だかよくわからなくていいんだよ。君の観劇は正しい!と、親指を立てたかったが、不審者と間違われるからやめておいた。

いい映画。
いい映画体験。

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