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【ニッチビジネスのアイデアクリエーション】罠にセンサーつければいいんじゃない?

スマートトラップのアイデアに至るまで。アイデアは、それが広まった姿が想像できるか、仮に凡庸であってもやりきりたいと思えるかが大事。
※上記イラストの罠(とらばさみ)は違法猟具です。

早々に散る産直プラットフォーム案


物理的な接触機会の増加に伴い情が移るといわれますが、動き始めると徐々にみんなの関心が高まりドタキャンもなく3人でワークショップ当日を迎えました。ワークショップでは腹出しした(放血後、内臓を取り除いた状態)鹿の皮を剥き、部位ごとにばらした後、実際に鹿を食べてみるという内容でした。

参加者の多くは、僕自身を含め普段スーパーでブロックに加工されたお肉しか見ていない人でした。開始時には少し離れた場所から他人の肩越しに解体されていく鹿をやや強張った表情で見ている人が多くいましたが、命を頂くということがなんなのかといった課題感を持っていることもあってか、徐々に時間が経つにつれ真剣な表情となり、積極的に解体作業に加わる人が多くなっていったのが印象的でした。

その後、ジビエ料理を頂きながら狩猟の話を聞くことに。そもそもジビエは生産の不安定さ・手間などから家畜と比較して流通量も少なく高価であること、調達側もそのような条件を理解できる一部の飲食店・消費者のみに絞られること、そのような一部の事業者は限定的ではあるものの既に独自のパスをもっていることから、その当時は産直プラットフォームを利用している姿が全く想像できず、早々にボツとなりました。


狩猟にかかる手間は想像以上

やむなしと思いつつも手ぶらで帰ってはただのおっさん三人旅行で終わってしまうため、何か糸口はないかと具体的な狩猟の方法について必死に聞きます。

狩猟はお師匠(猟の方法を教えてくれる先輩猟師を全国問わずなぜかみんなお師匠さんと呼んでいる)を見つけるところからはじめ、狩猟の手伝いをしながら学ぶ。長年の勘と経験から動物の動きを予測したうえで罠を設置し、設置した罠は毎日見回る。かかっていたら鉄パイプや槍型の機器、場合によっては猟銃によってとめさしを行う。とめさし時の状態・処理時間によっては食肉利用はできませんが、食肉利用する場合は、血抜きを行ったうえで軽トラに運び込み、加工処理施設に持ち込む。解体されたお肉は知り合いの飲食店に、お酒と交換で提供するケースも…。
何十年も前から変わっていないだろうやり方が現実として今もそこにありました。

自営業や農業を営む方であれば見回り等の時間の融通も利きますが、今の時代地域でそのような仕事をメインにしている人ばかりではありません。公務員やサラリーマンをしながら狩猟に携わっている方も少なくなく、出勤前に見回りを行うのかと想像すると、普段家を出るギリギリまで寝ている自分自身を猛省するばかりでした。


罠にセンサーつければいいんじゃない

あまりにも多すぎる課題、帰りの車中でもITサービスのネタはポンポン出てくるのですがどれもイマイチ。ネタも切れかかった中央道大月インターチェンジ付近、誰かがふとつぶやきました。
「見まわり大変だったら罠にセンサーつけてかかったとき通知来るようにすればいいんじゃん?」
今となっては誰がつぶやいたのか忘れましたが、一瞬で車の窓ガラスが曇るほどテンションが上がりました。


この時は幸いにも?ITとIoT(ハードウェアまで含む)の間には大きな差があることにもまだ誰も気づいていませんでした。ちなみにアイデアの発想以降も活動が続くかどうかは、筋の良し悪しや執念、人との出会い、タイミングを含めた運にも大きく左右されると思います。
次回以降、現在のトレーサビリティシステム「ジビエクラウド」の展開に至るまで、雑談もはさみつつおおよそ次のようなフェーズで順を追って書いていきます。
・huntechの初期構想・メンバー
・スマートトラップのプロトタイピング
・はじめてのプロダクト販売
・小規模量産と販売体制整備
・流通といった川下への事業領域の拡大・・・etc


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