天邪鬼なもので流行りものを扱うのに抵抗はあるのだが、結局のところ開幕をしてしまえば日本はオリンピック一色で他に書くネタを思いつく隙間が無いくらいそのニュースで溢れている。ぼったくり男爵にいいようにされる訳である。

オリンピックで気になった点をいくつか。

トランスジェンダーの女性が重量挙げに出場したことが話題となった。もともと男女で体が違うので性別ごとに競技が分かれていたはずだが、肉体と違う性によってカテゴリーを再分類するのは生物学者としては違和感がある。筋肉量や特に骨格は成長過程でのホルモンが影響するだろう。となると金メダルを取るために女性へ性転換を行うチートは理屈の上では可能になってしまう。もちろん、そこまでオリンピックに人生をかける人はいないだろうが。どう考えても、基本的にマイノリティには厳しいルールにならざるを得ない。

Yahoo!の「みんなの意見」という機能を知っているだろうか。Yahoo!がおこなう独自のアンケートだが、そこに日本が金メダルを何個獲得できるかの調査があった。現在のところの回答で、何と全体の2/3の票を集めてトップになっている項目が「個数は重視しない」というもので…。この項目を入れるくらいであれば最初からアンケートなどしなくても良いとすら思ってしまう。

金メダルを取った日本人選手の特徴を見ていると、傾向がありそうな気がしてきた。下馬評通り金メダルを獲った選手もいれば、確実と呼ばれながら届かなかった選手もいる。これは本人の実力以外に競技の注目度が関連しているようである。もともと注目されている種目であればプレッシャーに強いので、十分に実力を発揮できるのであろう。一方で、普段から注目されていない競技であれば、滅多にない人の眼を意識して力が出し切れなかったのではないかと想像する次第である。

（2021/8/4）