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#29 エセエコ

レジ袋有料化が始まって1年経つが、やはりといった問題が指摘されてきた。エコバッグの作成コストを考えると、ビニール袋を何回か使った方が環境に優しい、というものだ。

エコバッグが流行り始めたときに、いたるところでエコバッグが配られていて、持て余してしまうことがあった。逆に無駄なものを作っているのではないかと、仲間内でエコバッグ入れという皮肉な商品を開発して販売しようと冗談を言っていたくらいだ。

この手の問題は今に始まったことではない。環境に優しい商品が出るたびに、以前のものと比べて何が改善されたかという良い点のみが強調され、悪い点は隠されてしまう。

例えば、電気自動車なんかは二酸化炭素の排出が無いことを利点に挙げる例があるが、そもそも日本では電気を作るのに化石燃料を使っているのだから、当然電気自動車を使えば二酸化炭素が発生することになる。

他にも○○何個分!みたいな表現にも注意だ。以前に風力発電施設の利点として、一本あたり約1,000世帯の電力を賄えるとした試算を見たことがあるが、それならば風力発電に切り替えて行けば良いとするのは早計だ。家庭で必要としている電力は日本では全体のおよそ1/3で工業用等にもっと電気を利用しているし、工業用電源には風力などの不安定な電力は用いにくいといった側面もある。

こういう数字や言葉に騙される人が詐欺の被害にあっているんじゃないかなぁと乱暴なことすら思う。見てくれや響きの良さに騙されずに自分の頭で考えよう、という話だ。

さて、実際にエコバッグの有料化はどのくらい環境に良いのだろうか?実際、周りを見てみるとコンビニなんかでは意外と多くの人がビニール袋を頼んでいる。ある人に何故かと訪ねたことがあるが、一番の理由が他の客に迷惑をかけたくないとのことであった。環境よりも対面を気にする国、日本。

(2021/6/16)

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