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5月3日(日)好きなお寿司の食べ方


好きなものの話をすると健康に良いとの研究結果が出ているので(当人比)好きなお寿司の食べ方の話をします。

前々から薄々勘付いていた事実がある。それはお寿司を食べると寒いということだ。

あれは数年前の冬の日のことだった。私と友人は寿司を食べるためだけに街合わせ、駅前の回転寿司屋に入った。カウンター席だけの、入口からの風がびゅうと吹き込んでくるような、小さな店であった。

私と友人は流れてくる寿司を数貫つまみ、すぐにお腹はいっぱいになり、後で喉が乾くと分かっていながらも赤だしを飲み干した。コートも脱がぬまま食事を終え、真の粗茶とも言えよう謎の粉茶を啜り、やることもなく会計へと向かったわけだが、まさか冬の回転寿司があんなにも寒いものだとは。

もしもマッチ売りの少女が覗き込んでいた窓の向こう側が回転寿司店だった場合、じっと見つめるのはほかほかの温かなビーフシチューなどではなく、ひえひえの冷たい握り寿司になるわけで、やはり寿司はあたたかさの象徴になるには食品の持つ温度が低すぎる。

そこで私が発見したのが、寿司をチンして食らう、という方法である。

もっとも、寿司チンに至るまでには模索の過程もあったのだが(焼くとか)、最終的にはもう、皿に乗せてラップでチンして食べるのが一番うめえ、という結論に至った。

寿司を温めるなんてオメェは気が狂ってんのか?と江戸っ子には聞かれてしまいそうだが、そもそも私が発案するまでもなく寿司を加熱する料理は昔から日本料理に存在する。

たとえば蒸し寿司はちらし寿司のような寿司を蒸し器に入れて蒸気で加熱する料理だ。具材に生魚を使わないとか、錦糸卵をちらしているとか、握り寿司とは違う点が多々あるものの、握り寿司をチンした時の酢飯と蒸し寿司の温かな酢飯には近いものがある。

酢飯は温めると酸味が飛び、香り立ち、甘くなるのも良い。そもそも私は蒸し寿司が好きなのだ。電子レンジといえば蒸し料理レシピの伝家の宝刀なので、やっていることの方向的にはなんにも間違っちゃいないはずである。

ただし握り寿司をチンすると生魚にも火が入る。寿司の美味しさの肝は魚が生であることだろうと言われたらなんにも言い返すことができずすごすごと帰るのみだが、しかし魚は火が通っていても美味しいことは皆さんご存知の通りである。

最後に言い忘れたが、チンした握り寿司は大変崩れやすいので、いろいろ悩んだ結果、左手にフォーク、右手にスプーンで食べている。フレンチの魚料理の時、ナイフの代わりにスプーンのような形状のナイフが出てくることがあるが、アレである。

左手のフォークで寿司を押さえ、右手のスプーンの縁で寿司を半分に切り、すくって食べる。

江戸を舐めているのか?

さすがにこれには江戸っ子にどつかれても仕方がないと思う。この文章がどうか江戸っ子に読まれませんように……

今日は好きなお寿司の食べ方の話をしました。冗談を交えて書いたので大変楽しかったです。長くなったので少し疲れ手途中から減速していったのがマイナスポイントです。楽しくても体力に見合った長さで書けるようになりたいものです。


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