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どぶみたいなプライド



 ウィーザーがトトのアフリカをカバーしていたのをラジオで聞いた。その最初のドラムスがすごいかっこよかったので、YouTubeでムービーを見た。そうすると最終的に全員がむちゃくちゃふざけていて最高にかっこよかったのでそのことを自宅に帰って彼女に言うと爆笑した後やっぱりかっこいいなぁ、ウィーザーはと言う話になって形は整った。それから彼女はトトはアメリカではダサイとされていると言うことを言った。彼はダサイのはなんとなくわかるけど悪くないのにと言って看護師の女性がトトが好きと言っていたのを思い出した。この彼の、好きと嫌いの左右されない感じは奥にはあるけど、彼はアメリカではダサイとされていることを知った後と前では微妙に感情が動いていることに不思議になって、そうして眠ると携帯灰皿にでかい穴が開いていて、そこから吸い殻がボロボロ落ちる夢を見た。不吉だ。
 そして朝、セブンイレブンでフレンチトーストとホットケーキサンドを交互に持ってGoogleのカメラで撮って首をかしげている、背の大きな白人の男性がいた。その様子がちょっとファニーというか海みたいな感じがしたので彼はにこっとしてしまった。そうするとその男性はプリースエクスキューズミーと言っておそらくこのフレンチトーストは甘いですかというふうに聞いた。彼は甘いですよと言った。ちょっとパンケーキとこれどっちの方が甘いですかと聞くので、僕はこれはフレンチトーストだと言った。男性はこっちがシロップ入ってるけど、このトーストのほうは入ってないのかと聞いた。それで僕はこのフレンチトーストは入ってないです、ノーシロップ、でも男性はおいしいと聞いておいしいと彼が言ったフレンチトーストの方を、オーケーナントカカントカと言ってカゴに入れた。ベラベラベラベラ、と男性は言い、彼もペラペラペラペラ、と話した。カゴの中には、大量のパンとサンドイッチと飲み物があった、その男性のコロンビアの赤いポシェットには筆書きの白地の、TOTOと書いたバッヂが着いてた。ラインを交換して、なんとなく関係はそこで一旦終わった。
 なんの忖度もない、奇跡みたいな瞬間、全部それはいち風景に過ぎないけど、そのいち風景がないと生きていけない。例えばクラブヌーンのディーパラマで踊っていた、2×4のロンTの人の背中。全部が完璧だった。

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