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プラスを数えるか、マイナスを数えるか


初まりはプラスから

誰かと初めて意気投合する時、それは共通する何かを見つけた時ではないだろうか。

新しく知り合った人でも以前から知っていた人でも、何か共通するものがあると一気に距離が縮まる。
その共通する何かがほんの一部であったとしても、それが自分にとって大切なものであればある程その相手の存在も大きくなる。

そんな共通点が3つ4つと見つかるたびに距離が縮まり何故だか胸が躍る。
その時、私たちはゼロの位置に立ちプラスを数えている。

足りないものを数え始める

けれどずっとそばにいた誰かに対して、ゼロの視点を保つのは難しい。
プラスを見つける代わりに、ほんのひと握りの小さなマイナスを丁寧に拾い上げて行く、そんな救いのない作業をしてしまう。

すべてが完璧に重なるわけじゃないのに。
100%からのマイナスが気になってしまう。

知り合ったばかりの人ならプラスを数えられるのに、良く知ってる人ほどマイナスを数えてしまうなんて。

同じものを見ているのに変わって見える

自分と同じ反応をしてくれるという期待が心のどこかに潜んでいるのかもしれない。
いつも同じ誰かが自分の背中を支えてくれていて、そんな誰かがふと振り向いた時にもしも違う人に見えたとしたら。

見慣れたものほど少しの変化で違和感を覚えてしまうだろう。それがたくさんのプラスを持った関係の、ほんの少しのマイナスだったとしてもだ。

忘れないで欲しい

ゼロからプラスを数えても、百からマイナスを数えても、関係の質量は変わらない。

たとえほんの少し変わったとしても、その時はもう一度ゼロに立ち戻って、プラスだけを数えてみよう。数えている間に相手がどれほど貴重な存在か気付くはずだ。

どうか見失わないで欲しい。
大切なものを。