冬に向けて

動物の形をした木が並ぶ広大な庭
での会食
ほとんど服を着ていない
よそよそしい人たちの
温かい体と冷たいグラス
空は切り取られ継ぎ接ぎになる
灰色の雲と朝日が混ざり夜の闇へと
グラデーションでつながる
星座はささやかにナイキやアマゾンのロゴを繰り返す

雪の積もる人気のない大通り
散らばる沢山のコート、手袋、マフラー、セーター 
何枚も服を脱ぐ夢
ついに自分の肌の色はわからないまま
目の前の人にキスされる
頭の中で日本の小さい鳥がゆっくりと羽ばたき始め次第に加速していくのを意識する
流れてくる 名前のわからない
沢山の若い女の子が歌う恋の曲
ポリエステルの腰
その作詞家はみんなに愛されていた

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