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VRChat日記:かわいそうランキング

少し前にかわいそうランキングのランクがとても低い弱者に出会った。かわいそうランキングを知らない人のために少し説明すると、例えば双極性障害を患っていて、精神が不安定な人がいるとする。その人は他人に対してしばしば加害をしてしまう。ODや自傷、自殺をほのめかして他人に自分の言うことを聞かせようとするのだ。そういう人を目の当たりにしたとき、これが女性であれば話を聞き、安らぎを与える人は多い。一方で男性であればそのような救済の手が差し伸べられることは少ない。このように、弱者の属性によって、救済のされやすさに差が現れることをかわいそうランキングと呼んでいる。状態としては同じ弱者であっても、かわいそうランキングが高い属性であれば救済の手は多く、かわいそうランキングが低い属性であれば救済の手は差し伸べられない。それどころかどんどん孤立していく。

話を戻すと、その人はいわゆるメンヘラだった。僕に対しては例に上げたように、自分の欲求を満たすためにメンヘラであることを利用していたのだ。巧妙に罪悪感と同情心を利用するのだ。付き合っていて本当に疲れてしまった。VRChatは僕の癒やしの場所であるため、そのような人と付き合って疲弊したくなかった。だからブロックした。

しばらくして、その人の噂を聞く機会が増えた。他のコミュニティでもトラブルを起こしているらしい。行く先々でブロックされてしまっているのだ。ブロックした人たちは自分の行いは正当なものだと確信しているに違いない。いや、誰が彼らを批判できるだろうか。そんな奴に付き合っていたら不快でたまらない。好きでVRChatをやっているのに嫌になってしまう。ブロックするのは正解だと思う。

だが一方で、こうも思うのだ。その人はおそらくどこに行っても同じようにトラブルを起こしてコミュニティから排除されてきたはずだ。排除されるだけではなく、自分から人間関係を断ってきたことも少なくないだろう。そのような人生は間違いなく孤独で、精神を不安定にさせる。僕にも似たような経験があり、孤独の辛さはよくわかっているつもりだ。だからその人のつらさに思いを馳せると、自分が罪深いことをしているように思えてならない。

その人をブロックするのは個人の立ち回りとしては最適解だと思う。だが、みんながその最適解を選んでしまうことで、他人を加害してしまう人は社会からどんどん孤立していくことになる。地域コミュニティが崩壊した現在においては、その孤立は深いものとなっている。その結果生まれるのはもしかしたら凶悪犯罪者かもしれない。

僕はその人とどのように関わればいいか。最近の悩みの一つだ。

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