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【保存版】キリマンジャロ登山の持ち物、ツアーレビュー、費用まとめ

私は2023/11/20に男性3人でキリマンジャロ登頂に成功しました。マタタツアーズというツアー会社にマラングルートでガイドしてもらいました。当時私は体重が100kgあり、3人中2人が重度の高山病、雨季で下は大雨、上は吹雪という過酷な条件の元で、全員が最高頂のウフルピークに到達できました。

 景色は何も見えないうえ、滞在時間5分以下

キリマンジャロは初心者でも挑戦できる世界最高峰です。特別な登山知識や道具は必要なく、体力と気合いさえあれば登頂できる一番高い山です。実際の登頂率も70%程度あると言われています。入山するにはガイドをつけることが義務化されていて、キリマンジャロに挑むにあたって一番の懸念点になると思われます。この記事は、依頼したツアー会社についてのレビューを中心に、キリマンジャロ登山における懸念点を全て解消できる内容を目指しました。

初めに、ツアー会社を選ぶのは現地に着いてからで全く問題がありません。キリマンジャロ麓の町のモシにも、少し離れたアルーシャにも、ツアー会社は多数存在しています(基本的に価格はモシの方が安め。どちらもキリマンジャロ空港から1時間くらい)。とにかく客引きも多いため、現地に行ったけどツアー会社が見つからないという心配は全くする必要はないと思います。ただし、日程的に余裕がない人は事前に予約していきたいと思うので、少なくとも振り込め詐欺とかぼったくりの心配がない、僕らがお世話になったツアー会社の連絡先を紹介することもできます。(コメントしてください!)事前予約していると空港まで送迎してくれるのでめっちゃ助かりました。


0.総評

マタタツアーズは現地の中では中堅程度のツアー会社で、マタタという社長が小さなオフィスで経営しています。マタタはかつて渡辺謙さんをガイドしたことがあるようで、オフィスに写真が貼ってあります。

若かりし頃の渡辺謙さん

安かろう、良かろうというのが総じての感想です。学生旅なのでとにかく安さを追い求め、全会社中最安値のマタタツアーズに依頼しましたが、想像以上に手厚いサポートを受けられました。空港送迎、現地SIM購入、現地での食事、登山後のホテル手配など、追加のフィーなしに全て好意で行ってくれました。
本当に想像以上に登山前後も登山中も手厚いので、体一つで行って、一生懸命歩けば登頂できると言っても過言ではないです。

1.料金について

全ツアー会社中最安値でした。11月は雨季で閑散期ということもありますが、ネット上で確認できるどの日本人登山者よりも安かったです。
詳細については、マタタツアーズのマタタから、「君たちは特別価格だから絶対に口外しないでくれ」と言われているので有料部分に記載させていただきます。なお、ネット上で確認できる一般的な相場価格はチップ代込みで1人1200ドル-2000ドルとされています。

ツアー代(会社支払い+入山料)とチップ代で構成されます。入山料(730ドル)はカード払いできますが、エラーが頻発したのでこれも最悪現金で払えるように、余裕を持って1500〜ドル程度持っておくことをお勧めします。現地通貨(1ドル=2500タンザニアシリング)で支払うこともできますが、一度に40万tsh(=160ドル)までしか引き落とせない上、1回あたり1000円程度の手数料がかかります。

交渉の際は、時間があれば必ず複数社比較検討することが一番だと思います。その上で、あっちより安く出来ないならあっちに行く、と言えば安くしてくれると思います。

また、追加で変な料金を請求される心配がないこともマタタツアーズの良さだと思います。契約の際に契約書みたいなのを書きますが、ガイドたちへのチップ以外は、全てツアー料金にincludedであることを明記してくれます。もちろん、念のため下記の数点は確認し明記しておくべきだと思います。
・チップ込みかどうか
・入山料や小屋の使用料は含まれるか
・無料装備レンタルの限度(基本全て)
・ポーター、ガイドの人数(max何人か聞く)
・ホテルから登山口の送迎
・食事、水
・登山保険
・日数
・全体の料金

チップについて
キリマンジャロでは、1ツアーあたり10人前後の現地スタッフが一緒に登山してくれます。それぞれに対して、会社に支払うツアー代とは別に、チップを傾斜配分して現金で支払います。下記では1日あたりのチップ相場を記しておきます。1日あたりの価格×日数×人数が合計です。

メインガイド
$18-20/d
サブガイド
$15-20/d
コック
$10-15/d
ウェイター
$8-12/d
(食事やお湯を手配してくれる人)
ポーター
$8-12/d

こちらもサブガイドと交渉の末、金額が確定しました。ツアー代と同じく、詳細の公開は有料部分のみとさせていただきます。

2.事前準備/持ち物について

お金さえ持っていけば、ほぼ手ぶらで挑むことが可能です。
レンタルできずにガイド同行で町で購入したものと、無料レンタル出来るものがあります。

登山前日にレンタルグッズが揃った倉庫のような場所にガイド3人と行き、2時間近い時間をかけてめちゃくちゃ丁寧に装備品を見繕ってくれました。サイズが本当に合っているか、壊れていないかをしっかり確かめ、また持参品があるならガイドに見せてenoughかどうかをしっかり確認すべきです。(僕はレンタルしたアウターのチャックが壊れていて、最終日吹雪の中前のチャック全開で歩きました。)この辺は安かろう悪かろうの部分で、寝袋もめっちゃ消臭剤をかけて渡されたし、多分もっと綺麗なレンタル品があるツアーはいっぱいあると思います!レンタルの部屋が暑いし、時間もかかるし面倒だけど、何度もこれで大丈夫か自分で確かめて、ガイドにも聞くことをおすすめします。

ズボンのサイズを確かめようとしゃがんだら破れてしまった

購入
・30-50Lくらいの小さめのリュック(持ち運び用、大きい荷物はポーターに預ける)
・サングラス(現地で買うと高い!)
・日焼け止め
・痛み止め
・高山病予防薬(現地で買う方が安い!)
・チョコなどの軽食
・電池(最終日のヘッドライト用)

レンタル
・ネックウォーマー、手袋、ニット等
・日除け帽子
・長袖あったかい服2枚
・長ズボン
・ロングスパッツ2枚
・上下アウター
・上下雨具、ポンチョ
・登山靴
・登山ステッキ
・寝袋
・ヘッドライト
・水筒(1L×2本)
・トイレットペーパー
・大きなバッグ(ポーターに預ける)

日本からの持参品(推奨)
・サングラス(現地で買うと6000円〜)
・小さめリュック(2000円くらいで買えるが壊れているのが多い)
・ウィダーやカップラーメン(食事が合わなかったり高山病で元気が出ない時に)
・胃腸薬(3人中2人がお腹を壊した)
・ゴミ袋や圧縮袋(ポーターに預けた荷物がびしょびしょになった)
・水筒(3Lは持ち運べるように追加で1本)
・粉末ドリンク
・トレッキングシューズ(最終日以外は登山靴不要、ワークマンで2000円で買えるのが最強)
・速乾性のシャツ、パンツ、軽い上着等一式
・タオル
・歯ブラシ、ハンガー、化粧水など
・マキシマムなどの味が濃くて美味しい調味料

この倉庫に大体なんでもある

3.登山サポートについて

最初に述べたように、キリマンジャロは基本的にゆっくり歩き続けさえすれば登頂できる簡単な山だと思います。その上で、マタタツアーズのガイドたちがしてくれたサポートを記します。

サポートしてくれたこと
・朝昼晩+軽食の調理と配膳
・1日2回程度飲み水の補充
・歩くペースの調整、先導
・体調の観察
・高山病にならないためのコツ
・登頂のための時間配分
・歌ったり踊ったりして盛り上げてくれる
・その他、植物や動物などについてのガイド
・高山病でしんどい時は荷物のパッキングや歩行補助など
・(かつて渡辺謙さんが登った時は、おんぶまでしてもらったらしい)

自分で何かやるべきことがあるとしたら、なるべく深呼吸して息が乱れないように意識することと、歩きながらでも水をこまめに飲むことくらいです。ちゃんとした水休憩の頻度は割と低めでした。
おそらく、マタタツアーズのガイドはクライアントを登頂させたかどうかを最重要KPIに置いているので、とにかく言う通りにアドバイスを聞いて、全てお任せして、自分は歩くだけ!というスタンスで登頂まで行くことができると思います。

4.高山病について

高山病についてはめちゃくちゃ心配してたし、事実かなりしんどくなりました。下記、やっておけば良かったことも含めて対策を記します。

頭痛と吐き気とめまい

・心拍数を上げない
ゆっくり息をして、歩くペースを遅くして、心拍数を上げないようにします。特に息を吐くことを意識して、最後まで肺から空気を搾り出すように深呼吸すると良いようです。私はテンションが上がって歌いながら歩いた結果、ひどい頭痛になりました。
・水をこまめに飲む
1日の歩き行程だけで最低3L飲むと良いようです。私は3.3L用意しましたが、汗かきで頻尿なので正直足りなかったです。
・高山病予防薬(ダイアモックス)を飲む
日本で処方してもらいましたが、現地で買った方が圧倒的に安いです。また、処方箋には1日2錠とありますが、利尿作用が強すぎるため、登山前日から1日1回半錠が推奨されました。
・よく食べて、よく眠る
高山病になると気持ち悪くなり、食欲も減ります。食べられる時にしっかり食べること、カップラーメンやウィダーなどの食べやすいものを持っていくことをお勧めします。また、私は手軽な栄養補給として、アミノ酸サプリメントと大量の砂糖と蜂蜜を水に溶かして常に飲んでいました。
・ダイエットする
私は体重が約100kgあります。筋肉量が多ければ多いほど歩くのに酸素を使うので、必然的に心拍数が上がりやすく、疲れやすくなります。同行した3人のうち、体重が重い順に高山病が酷かったため、ある程度有意な相関関係はあると思われます。

オフィスに我々の写真を貼ってくれているみたいです!


5.詳細料金について(有料)

以下、有料部分では、我々が払ったツアー代、チップ代の詳細と交渉過程に加え、現地のガイドに詳細な裏事情を聞き、シーズンや人数によって価格がどの程度変動し、どの程度まで安くなるかを聞いた内容を記しています。
大きければ100ドル単位で変わりうるツアー代とチップ代の交渉の参考にしてください。
また、マタタには絶対に言わないように言われているので、交渉の際もこのNoteを見せることは控えていただきたいです。

我々が払った一人当たりの料金(3人で登って)

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