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思ってもみなかった介護の始まり

自分がやりたくはないと思っていた介護を父親にすることになった。
父親はなんとか話すことはできるが以前のようにスムーズではない。視力も低下した。
左手、左足が特に思うように動かず、家の中の廊下はなんとか歩くことができるが、段差を降りることは厳しい。
外は杖があっても1人では歩けなくなった。ベッドをレンタルで借りて、トイレは簡易トイレを使用した。
まだ、自分で出来ることが多かったので、誰かに教わらくてもなんとか面倒をみることができた。

特に問題なく日々が過ぎて、半年ほどして母親が退院してきた。落ち着きを取り戻していたが、入院が長かったし、精神薬の影響もあるので、徐々に身体を慣らしていく必要があった。9ヶ月ぶりの3人での生活。しかし、父親は左半身麻痺、母親は統合失調症。僕はうつ状態からは脱却したもの、3人とも正常とは言えない状況だった。
それでも、仕事をしないと生活ができないので、介護から1年ほど経過して仕事を始めた。
ただ、仕事に対するブランクも2年ほどあり、特にしたいことも思い浮かばなかった。自分に何ができるのだろうという無力感のようなものもあった。
それで生活での介護の延長上ということで、介護の仕事を始めた。面接に行ったらパートで採用されて、9ヶ月くらいで正社員になった。

まさか介護の仕事をするとは。父親が脳梗塞で介護状態にならなかったら介護の仕事はしていなかっただろう。
しかし、介護の仕事についたことで人生はさらに思わぬ方向に進んでいくことになる。

まさか、介護が自分の探究心をくすぐり、自分の人生を何度もやり直すきっかけになろうとはこの時は予想もしていませんでした。


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