無くならないお酒と僕と
いつもあいつと行ってた居酒屋に足を運んだら大将が自分の後ろを指差した
そこにあったのはあいつと自分の名前が書かれたキープボトル。
すみません。
基本半年経てば捨てるけどこれは捨てられないから空けてね。
そう言ってくれた大将の優しさを握りしめた手の中で爪が突き刺さった。
一人でこれを飲み干すこと
これが空になるまで待つこと
二人で空けられるまで頭を下げ続けること
何が償うということなのか
子供の頃に家の柱に引いた線とは対照的な残ったお酒
更に腐りもしなければ誰も捨ててもくれない。
このボトルと同じような物を幾つも残したまま
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