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3/9(土)会場イベント(アーカイブあり)『公立高校での介助って、実際どうなの? ~教育現場での介助の課題と意義を卒業生と現役高校生が問い直す~』

介助が必要でも高校で青春を謳歌したい!
「でも、介助員(※1)がいなくて、部活に参加できなかった……」
「でも、介助員との関係がうまくいかない。どうしよう……」

私たちは、これらの声を可視化するために、プロジェクトをスタートしました。

一般社団法人わをんでは、3月9日(土)に、学校における介助保障の問題や、学校現場での介助をめぐる課題を広く知ってもらい、社会全体で問題意識を共有したいという目的で、イベント(後日、動画視聴可)を行います。

日常的に介助が必要な障害者が、地域で学校生活を送るためには、学校においても、本人の望む介助が保障されることが必要です。例えば、上着などの着脱、トイレ、車椅子から他の場所への移乗、食事、荷物(教科書や給食など)を運ぶ、板書を書き写す、教室の移動、見守り、課外活動での外出などです。

日本において、障害のある人が公立学校で介助を受けるために使える制度としては、「特別支援教育支援員制度」があります。この制度は、平成19年度から始まったもので、文部科学省は、自治体に対し、「幼稚園、小・中学校、高等学校において障害のある児童生徒に対し、食事、排泄、教室の移動補助等学校における日常生活動作の介助を行ったり、発達障害の児童生徒に対し学習活動上のサポートを行ったりするため、特別支援教育支援員を配置するために必要な経費を地方財政措置(※2)」することを求めています。この制度は、最初は小・中学校において始まり、平成21年度に幼稚園、平成23年度に高等学校において開始されました。制度が運用されてから、今年で10年以上経つことになります。

しかし、この制度には、大きな課題があります。一つ目の課題として、この制度は、その運用が自治体に委ねられているため、自治体によってはこの制度が使えず、本人の意思に反して、特別支援学校に行かざるを得ないケースもあります。また、制度が使えたとしても、学校での介助者との間で、しんどい思いをしているという障害当事者の声を、私たちはしばしば耳にしてきました。

しかし、これらの問題は、改善されることなく長年放置され、当事者の声も届けるべきところに届いていません。

そこで、私たちは海老原宏美基金(※3)に応募し、いままで光が当てられてこなかった「学校での介助」というテーマに着目し、その課題を明らかにしたいと思い、本プロジェクトを始めました。「特別支援教育支援員制度」の実態を当事者の声から明らかにするために、学校で介助員を利用したことのある当事者にインタビューなどを行い、学校の介助に関するハンドブックを作成しました。

調査結果からは、私たちが想像していた以上に、介助が必要な障害のある人たちが、学校での介助の問題でしんどい思いをしていることがわかってきました。さらに、彼らは「障害者であり、子どもでもあること」の社会的な立場の弱さによって、そのしんどさを伝えることが難しい状況に置かれています。

本イベントでは、このような調査結果の報告を通じて、学校における介助保障の問題や、学校における介助をめぐる課題について、みなさんと考えていきます。
学校での介助保障の問題は、単に教育現場の問題にとどまるものではなく、インクルーシブ教育やインクルーシブ社会、また、自立生活運動が求めてきた介護保障にもつながる問題です。ぜひとも、障害当事者やその家族、教育関係の方々、自立生活運動に関わる団体、研究者の方々など、幅広い分野の方々に来ていただき、その現状を共有し、共にこの問題を考える時間にできたらと思っております。

たくさんの方々のご参加をお待ちしております。

【日時】
2024年3月9日(土)14:00〜16:00(13:30開場)

【場所】
KIITO|デザイン・クリエイティブセンター神戸
(〒651-0082 兵庫県神戸市中央区小野浜町 1-4)
2階ギャラリーC
※当日、会場参加が難しくても、お申し込みいただいた方には、後日、動画視聴URLをお送りします。URL送付後10日間視聴可能です。
※館内には、介護用ベッドが設置された多目的トイレがあります

【定員】会場参加 40名(上限に達し次第、申し込みを締め切ります)

【タイムスケジュール】
13:30 開場
14:00    開始
14:00 趣旨説明(PTに参加した経緯、問題意識)
14:15 ハンドブックページ紹介(制度、インタビュー内容など)
14:45 休憩
14:50 特別企画「公立高校での介助って、実際どうなの?」
15:20 休憩
15:35 感想・質疑応答 
15:55 終わりの挨拶
16:00 終了

【情報保障】
要約筆記があります。

【申込方法】
下記の申込フォームに必要事項を記入の上、ご参加ください。(3月2日(土)締切)
お申し込みはこちら

【お問い合わせ】
一般社団法人わをん
メールアドレス:info@wawon.org

※1 学校で身体介助及び移動補助、授業中に必要なサポートを行なう人のことを指している。以降記載している「特別支援教育支援員制度」の支援員についても、当記事において、発達障害の児童へのサポートと区別するという意味で「介助員」と表記。
※2 文部科学省「資料8:特別支援教育支援員について」から抜粋https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1312984.htm
※3 海老原宏美基金は、海老原宏美さんの遺志を引き継ぎ、「誰もが「自分を生きる」ことができるインクルーシブな社会を実現することを目的(募集要項抜粋)」とした助成事業。「対象となる活動」のうち「インクルーシブ教育の普及・促進」に応募し、採用された。https://www.ebifund.org/

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