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記号過程、システム、意味

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人間と自然、人間と機械、人間とAI 対立するふたつのもの それらはなぜ対立するふたつのものになったのか? その答えを「記号過程」という用語を手がかりに考える
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2021年6月の記事一覧

言葉から出て行こうとする言葉 -小田龍哉著『ニニフニ』を読む

しばらく前から安藤礼二氏の『熊楠 生命と霊性』を読んでいる。 今回はこの熊楠繋がりで、小田龍哉氏の『ニニフニ 南方熊楠と土宜法龍の複数論理思考』を読む。 カタカナ四文字が並ぶ不思議なタイトル「ニニフニ」は、漢字で書くと「二而不二」である。 二而不二、ニニフニ「漢字で書けるなら、どうして漢字で書かず、わざわざカタカナにしたのだろう?」と問いたくなる方もいるのではないかと思われるが、著者の小田氏は、まさにわざわざカタカナにしているものと思われる。なぜなら、二而不二もまた言葉

南方熊楠『燕石考』の4項モデル あるいは人類ができる思考の極み  ー 安藤礼二著『熊楠 生命と霊性』を手がかりに考える

安藤礼二氏の『熊楠 生命と霊性』を引き続き読んでいる。 (前回の記事はこちら↓ですが、今回の記事だけでもお楽しみいただけます) 南方熊楠の世界を垣間見ていると、思わずこんな思いつきがあたまをよぎる。ときどき目にする「猿でもできる」とか「猫でもわかる」とか「わたしにも写せる」とか、そういう言葉に「おいおい」「いやいや」とおもわず微笑んでしまうのが粋な読み手ということかなと思うのだけれど、もしかすると神仏の世界では『人類でもできる○○』のような本がロングセラーだったりするので

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