【Kate presents音楽こそがMusic!vol.1】「濡れない雨」中納良恵

こんばんは。Kateです。
私の投稿では毎回、お気に入りの1曲を推しておりますが、長い解説はしないでおります。
それは、話しだすと長くなるからです…。😊

だったら、もっぱら音楽について語る投稿を始めてみます。

第一回目は、EGO-WRAPPIN'中納良恵さんソロ名義の「濡れない雨」です。

いつもはSpotify音源のリンクを貼っていますが、今日はYouTubeを。なぜかというと、アーティストご本人が自ら踊っているからです。

この曲は先日聞いていたJ-WAVEでかかっていて、なんて素敵な…と調べたものです。一瞬、安藤裕子さんかなと思ったのですが、安藤さん独特の節回しがなかったので。

EGO-WRAPPIN'、人気なのは分かるのですが、やや独特な特色があり私はどちらかと言えば遠ざけていました。この曲を聞いた時、こんなスッとした(現代風に言うと「スンとした」と言うのかな)歌も歌われるのかと、その幅の広さに感服したのです。

そしてYouTubeのコメント欄を見ると、複数の方が荒井由実さんとの共通点を挙げておられます。確かに…。そして、荒井由実と言えば、私は初めて安藤裕子さんの曲「さみしがり屋の言葉達」をラジオで聞いた時「荒井由実の再来か!」と度肝を抜かれたものです。

うーん。
今見ても、本当に色褪せぬ名曲です。
どこが荒井由実と思ったかと言うと(あまりそう思う方は多くないかも)、細かいですがア行の発音やメジャーセブンス・マイナーセブンス主体の「ザ・シティポップ」なコードワーク、そして雰囲気としてウェットな曲調、物語として脳裏に浮かびそうな絵画感。といったところです。

松任谷由実さんになってあまり感じなくなったのですが、荒井由実に感じる圧倒的な「湿度」。

ヨーロッパの、少しじめっとしたなんか古書や壁からカビのような匂いが立ち込めるような、でも決して悪い意味ではなくて、やわらかな霧雨のような。胸をキュッと掴まれる感じの、少し曇り空の薄暗い風景…

そんなふうな感じが、荒井由実さん、安藤裕子さん、中埜良恵さんから、共通して感じ取れました。

そして本題の「濡れない雨」ですが、どこに荒井由実を感じたかと言いますと、それはもうイントロの切ないピアノのメジャーセブンスの分散和音の響きからそうですが、ノンヴィブラートな歌い方や、ユーミンも多大な影響を受けたプロコル・ハルムの「青い影」のコードワークが深く感じられます。

何となく、似ていませんか?この曲のコードワークはチャーチモードと言っていいと思いますが、何かこう、教会でパイプオルガンで奏でられても違和感がないでしょう?「濡れない雨」の間奏のキーボード音色が、やや「青い影」の音を彷彿させますね。

「濡れない雨」はピアノ/キーボード、ベース、ドラムス、ホーンセクションという極めてアコースティック/オーガニックな、スカスカサウンドと、大人なミドルテンポが決定的な安心感をもたらしてくれます。「さみしがり屋の言葉達」もミドルですね。この、アコースティックセットでミドルテンポの曲というのは速い曲に比べて、テクニック的な誤魔化しが効かないのです。

今の音楽は打ち込みやオーバーダブなどで人間が自力でできないトラック作りが主流ですが、私は昭和な古いタイプなので、こうしたヒューマンなつくりの音楽がホッとするのです。そしてそれはきっと、今の世代の方の胸にも届くはずと信じています。

それにしても中納さん、音楽だけでなく身体表現にも長けていらっしゃるなんてどういう事でしょう…きっと表現したいことがたくさんある方にとっては、音楽とかダンスとかそういう手法にあまり垣根はないのでしょうか。とても抒情的で、良質なショートショートフィルムのようです。ワンテイクというのも驚異的。

そして安藤裕子さん!ぜひ、この曲を歌って下さい!(個人的願望)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?