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読書体験

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記事一覧

漫画『左ききのエレン』原作版 第一部(10巻まで)読破。テーマは、アートとデザイン、天才と凡才の話。

さあ、どうやってこの先、生きるかな。そう考えていた自分には、刺さる内容だった。

良い意味で、上品じゃない読後感。例えるなら、ラーメン二郎。こってり系の美味さ、疾走感、満腹感。

灯り
1年前
3

レジー, 2022『ファスト教養――10分で答えが欲しい人たち』集英社.

白状すると、私はこの本を1章(問題提起)と6章(解答)しか読んでいない。知識を得るなら、それで事足りる。けれど知恵にしたいなら、時間をかけて咀嚼し、血肉にする必要がある。何に時間をかけるか、それが問題だ。

灯り
1年前
1

今日は『野生の思考』が花咲く表現を見たいから、アートに触れる1日にする。

“野生の動植物と同じく、現在なお野生の思考が比較的よく保護されている領域がある。芸術の場合がそれであって、われわれの文明はそれに対し、国立公園なみの待遇を与えている…”
――クロード・レヴィ=ストロース

灯り
2年前
2

【読書体験】型を忘れるほどに馴染ませよ――『習得への情熱』基礎編

「noteで読書会を試したら」サークルで、つながる読書さんより、Josh Waitzkin『習得への情熱…

灯り
2年前
9

岸政彦『断片的なものの社会学』を手にとった。

かつて確かに存在していた人達の煌めきが、散りばめられている。

間を縫って、筆者がぽつりぽつりと語りだす。都市の夕暮れに佇む、寂しげな影のような言葉たちだ。

自分と少しだけ似た響きを感じて、胸が詰まる。これからの旅路を、想う。

灯り
2年前
5

【読書体験】意識の高さと『存在の耐えられない軽さ』

“永劫回帰という考えは秘密に包まれていて、ニーチェはその考えで、自分以外の哲学者を困惑さ…

灯り
2年前
3

【読書体験】“自分らしさ”から降りるとき――『ラディカル質的心理学』

“知らぬ間に築いていた自分らしさの檻の中でもがいてるなら 僕だってそうなんだ”  ――Mr. Children “ナラティヴ研究は、資本主義社会のもとで人々がどのように自己を演じているのかを解き明かし、アイデンティティという牢獄から逃れる術を示す。”  ――イアン・パーカー 筋書きの無い物語に関心がある。ストーリーではなく、ナラティヴだ。そんな折、この本を手にとった。 残念ながら絶版だそうで、わたしは古書で手に入れた。Amazonだと高額なので、関心のある方は、他を当た

【読書体験】概念地図を描こう――『エスノメソドロジー 人びとの方法論から学ぶ』

久々に、わくわくする本に出会えた。主題は、エスノ(人々の)メソドロジー(方法論)について。 …

灯り
2年前
4

【読書体験】まなざす、つきあう『社会学の方法』

はみ出してしまう類の人間だ。身体を置いて、意識は少し離れて、場を観察するような気になる癖…

灯り
3年前
5

【問いのデザイン】身近な疑問から、探求につながる問いへ

仕事をしていると、「あれ、どうにかなんないかなぁ」とぼやきたくなることがある。意を決して…

灯り
3年前
5

【読書体験】はたらきながら学ぶ――『状況に埋め込まれた学習』

パソコンのキーボードをカチャカチャ鳴らしていると、上司達が話している言葉が耳に入り、現場…

灯り
3年前
4

【読書体験】それでも、明日を心待ちにする――漫画『かしましめし』

明日の弁当、何にしようかな?と冷蔵庫を覗く。好物を見つけて、思わず頬がゆるむ。美味しい予…

灯り
3年前
4

【読書体験】『わかりあえないことから』伝えようとしてみる

柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺  ――正岡子規 柿を食べていたら偶然鐘が鳴ったのか。鐘が鳴っ…

灯り
3年前
9

[読書体験] 『クリティカル・リーディング入門』で学ぶ、物語の読み方

時こそ今は花は香炉に打ち薫じ、 そこはかとないけはひです。  ― 中原中也 時こそ今は水枝さす、こぬれに花のふるふころ。花は薫じて追風に、不断の香の炉に似たり。  ― シャルル・ボドレエル「薄暮の曲」(上田敏訳) ※一部改変 静かな長期休暇になった。読書日和だ。いつもと読み方を変えたくて、指南書を手に取っている。作品として物語を鑑賞するのではなく、より客観的に読み、理解するためのテキストだ。 筆者の紙上講義を聴いて、わたしはまず3つのコツを実践してみることにした。