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映画感想『牙』


 皆さん、こんにちは。「牙」って映画を観た訳ではありません。木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 何と言いますか、いきなりなんですけれども、最近、



 (´°Д°)」牙を
 抜かれてる。


 って感じるんですよ、牙。ええ。牙です。咬み付いて喰らいつく、獣の牙です。牙が足りないんですよ。牙。
 別にね? 咬みつくこと、反抗することが生きる事だなんて生ぬるい事を言うつもりはありません。
 しかし、何と言うか、牙が足りない。

 何の? と言うと、世界から牙がなくなってるように感じるんです。ええ。ワタクシも含め。

 何を取ってもそうなんですが、近頃は何かと、


 (´°皿°)」 歯切れが悪い。


 映画ひとつを取っても、正直に、


 PEッ(´°Д°)、ツマンネ。


 と吐き捨てる事が困難になって来たように思うんです。
 いや、わかるんですよ。ネットの普及で個人が感想を発信できるようになり、かつての評論家の「仕事だから悪く言えない」が激減した。しかし、SNSが確立してしまい、インフルエンサーも「半分仕事だから悪く言えない」って現象が起きてしまっている。

 そう。多様性が叫ばれるようになり、ロングテール(人気順に並ぶと言うより、各ジャンルの一番人気が並ぶようになる)現象が起き、「面白くなかった」と「自分には合わなかった」が混同され、否定的な感想は炎上しかねない。
 自由な感想を言えるはずのネットが、世界に繋がりやすくなり、


 (´°Д°)」言いたい事も
 言えないこんな世の中じゃ


 (´・∀・)」ポイズン。


 になってしまっている。
 そして、逆にそんな世の中だからこそ「悪口を平気で書ける俺カッケー!」みたいに、


 (´・Д・)」ただの
 悪口のタレ流し。


 みたいなモノが増え、これまた一定数の需要を獲得してたりする。
 正直に言って、ワタクシからすりゃ、


 (´・Д・)」どっちにも牙がない。


 歯で噛みつくんじゃない。牙で咬みついていく野獣が如き闘志を感じないのである。
 おわかりいただけるだろうか。血肉に餓えた獣のように、A級だのB級だの関係なく、とにかく喰らいついて骨まで砕いて食っちまうような、餓えと牙を感じないのである。

 おそらく、コンテンツが増えすぎて、趣味の世界も飽食の時代になっているのではないだろうか。
 YouTubeを1.5倍速で観るなんてのは、まさに飽食の弊害なのではないかと感じる。
 配信サービスが充実し、逆に言えば、いつ観てもいい一方で、観なくてもいい時代が到来してしまったのだろう。
 だから、映画を楽しむという、かつての目的が損なわれ、YouTube配信のネタにしたり、SNSでの発信が目的になってしまっている人も少なくないのではないだろうか。
 ワタクシはそんな風に感じる。牙を抜かれてしまったのだ。

 って話をしたい訳ではなく、最近の自分を鑑みるに、


 (´・Д・)」何でも、そこそこ
 楽しめるようになっちゃった。


 そう。50年も生きた所為だろう。色んなコンテンツを、それなりに楽しめるようになってしまったのである。
 その映画の「良い所を探そう」とか思うまでもなく、

 (´・Д・)」良い所が
 見つかっちゃうの。


 いや、マジで。人にもよるし、歳と共に「許せない事が増えていく人」と「許せる事が増えていく人」の差は大きいかも知れない。
 ワタクシは相変わらず、許せない事は許せない性格なのだと思うけれど、「良かった点」を見つけるまでもなく、見つかってしまうようになったのだろう。

 (´・Д・)」この点が
 良かったから、
 まあまあ楽しめたわ。


 とか思っちゃうのである。
 もともとクソみたいなB級映画や、B級を通り越したZ級映画も観る方なので、ダメな部分はダメな部分として割と愛せてしまう。
 例えば定食屋の焼肉定食ひとつにしても、


 (´・Д・)」味以外に、
 価格とか、接客とか、
 立地とか、提供時間とか、
 色々あるじゃん?


 それと同じで、映画はクソだったけど、ヒロインの女優さんが可愛かったから「まぁいいか」とか、シナリオはクソだったけど、ラストのアクションシーンだけは良かったから、「それなりに楽しんだわ」とか、平々凡々で退屈な映画だったけど、「無料配信で観たから許せる」とか。


 (´・Д・)」そーゆー感覚が
 増してる気がするのよね。


 特にね? ワタクシが制作に関わったクラフトコーラのCM映像を自分で撮影し、自分で編集してから、もうね、


 (´・∀・)」 撮影の
 苦労を知っちゃうと、
 色んな事に感心しちゃうの。


 カメラアングルひとつだけでも「今の上手いな」とか、演技ひとつでも「今の目線は凄いわ」とか、そーゆートコに感心してしまって、


 (´・Д・)」素で
 楽しんでるのよ。


 だからね? 鋭い牙を持つ獣は、心の中にいるのよ。血に餓えた獣はいつでも咬みつけるのよ。そんな野獣を鎖も首輪もなく、放し飼いにしてるんだけど、


 (´・Д・)」出番がない。


 実質、牙がない。咬みつけないのである。そして、別に咬みつく必要もないのだ。
 そう。だから、かつてなら感じたであろう、


 (´・皿・)」 コイツの感想は
 何もわかってねえなあ!!


 ってな感想に対する感想さえも、


 (´・Д・)」あー。まあ、
 言いたい事はスゲーわかる。


 まあ、アナタがダメって言った点のすべて、


 (´・∀・)」 それこそが
 好きな人にはたまらない所じゃん?


 って気持ちになっちゃうのである。
 要するに、「あざとい可愛さ」が鼻に付くのか、むしろ「あざといのは承知の上で、それを楽しみにしてんだよ!」って違いなのだ。
 見抜けるかどうかは別として、手品を純粋に騙されに行くのか、騙されまいとして行くのかの差でしかない。
 そんな訳で、このところ自分にも世界にも、


 (´・Д・)」牙が足りない。

 って事を感じているのである。牙の不足を感じてるのに、不服も特にない。それが牙が足りてない所為なのかどうなのか。少し不安に感じたのである。

 ちなみに、この記事はまるで別の話にする予定だったのだが、書いているうちに「牙が足りてない訳じゃない」という事に気付いて、内容を大幅に変更した。

 牙が足りてないのは、映画や漫画に対して「良い所」が見つかっちゃうから、「咬みつき」が足りてないだけで、


 (´・∀・)」 人間の良い所は、
 ぜんぜん見つけられてない。


 しかも、ネットをやってると不用意に噛み付いてくるアホが頻発する所為で、


 (´・Д・)」咬みつき
 返してるから
 不足を感じてない。


 という事実に気付いてしまった。

 ※ ただし、咬みつき返したら逃げ出す相手ばっかりなので、不満は感じている。

 あ。そうか。「骨のあるヤツはいねえのか!?」ってのはこーゆー事か。

 ※ この記事はすべて無料で読めますが、牙がある人もない人も、投げ銭(¥100)をお願いします。
 なお、この先には本来書く予定だった内容についてしか書かれてません。

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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。