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ブタが道をゆくよ


 皆さん、こんにちは。豚は太るか死ぬしかない。とウォーレン・マーフィーが言った。木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 はい。いきなりですが、皆さんは「ぶたがみちをゆくよ」という歌をご存知でしょうか? 正式なタイトルは不明ですが。ええ。

 ワタクシが聞き覚えている歌詞はこんな感じです。



 ブタが〜 道を〜 ゆくよ〜(ぶったったー ぶったったー♪)
 前から自動車が来るよ〜(ぶったったー ぶったったー♪)

 ブタは
 死ぬのがイヤだから♪

 自動車をよけて行くよ〜(ぶったったー ぶったったー♪)



 さて。ご存知でしょうか?

 ちなみに、2番と3番はこんな感じ。



 ブタが〜 海を〜 ゆくよ〜(ぶったったー ぶったったー♪)
 前からフェリーが来るよ〜(ぶったったー ぶったったー♪)

 ブタは
 死ぬのがイヤだから♪

 フェリーをよけて行くよ〜(ぶったったー ぶったったー♪)

 ブタが〜 空を〜 ゆくよ〜(ぶったったー ぶったったー♪)
 前から飛行機が来るよ〜(ぶったったー ぶったったー♪)

 ブタは
 死ぬのがイヤだから♪

 飛行機をよけて行くよ〜(ぶったったー ぶったったー♪)




 (´・Д・)」 なかなかシュールな歌でしょう? インパクトのある歌詞に、覚えやすいメロディ。覚えやすいってか、忘れられない。
 ワタクシが初めて聴いた時から数えると40年は経過している。

 この歌、作詞者作曲者共に不明。何の歌なのかサッパリわからない。このネットで何でも探せる時代に、だ。この歌の正体を知りたくて、定期的に色々調べているのだが、まるでその正体が掴めない。
 わかっている事は、どうやら「ゲンコツ山のたぬきさん」のような「手あそびうた」であるらしいこと。
 民間伝承により伝播したらしいこと。なので、メロディと歌詞には幾多のバリエーションが存在する。
 しかし、メロディの違いを文章で表現するのは困難を極めるので、歌詞のバリエーションを幾つか紹介しよう。


 ブタが〜 道を〜 ゆくよ〜(ぶんちゃっちゃー ぶんちゃっちゃー♪)
 向こうから自動車が来るよ〜(ぶんちゃっちゃー ぶんちゃっちゃー♪)
 ブタは
 ぶつかるのがイヤだから
 自動車をよけて行くよ〜(ぶんちゃっちゃー ぶんちゃっちゃー♪)

 ブタが〜 海を〜 ゆくよ〜(ぶんたかたー ぶんたかたー♪)※若干違う
 向こうから潜水艦(※クジラ説もあり)が来るよ〜
 ブタは
 ぶつかるのがイヤだから
 潜水艦をよけて行くよ〜
 ブタが〜 空を〜 ゆくよ〜(※2番と3番が入れ替わっているケースもある)
 向こうから飛行機が来るよ〜
 ブタは
 ぶつかるのがイヤだから
 飛行機をよけて行くよ〜

 ※ 4番

 ブタが〜 宇宙を〜 ゆくよ〜
 前から宇宙人が来るよ〜
 ブタは
 ぶつかるのがイヤだから
 宇宙人をよけて行くよ〜


 まあ、陸海空と来たら次が宇宙そらなのは仕方ないな。


 曲調や歌詞、その他の情報から推察するに、1970年代後半から1980年頃に生まれた曲だと思われる。
 手あそびうたであるため、幼稚園や保育園で歌われる事もある模様。
 死ぬのが → ぶつかるのが と言う変化は教育現場に相応しくないというポリコレ的な理由で変更されたように思われる。
 ただ、70年代後半頃にTVでもラジオでも流れていない、無論、ネットなどあろうはずもない時代。原曲が存在しない可能性さえある、作者不明のこの歌が、どうやって日本全国に伝播したのかは全くもって謎だ。

 しかし、変化を繰り返し、バリエーションを豊富に持ちつつ広がって行くケースはこの歌だけではない。

 ガッチャマンのうただ。


 誰だ 誰だ 誰だ
 空の彼方に踊る影
 白い翼のガッチャマン
 命を懸けて飛び出せば
 科学忍法「火の鳥」だ

 ↓↓↓

 誰だ 誰だ 誰だ
 ウチのガラスを割ったのは
 白い翼のニワトリ
 命を懸けて飛び出せば
 科学忍法「焼き鳥」だ

 ↓↓↓

 誰だ 誰だ 誰だ
 ぼくのパンツを盗むやつ
 白と黒とのパンダちゃん
 命を懸けて飛び出せば
 電信柱に激突だ


 こう言った謎の替え歌は、地域や時代によって徐々に形を変えつつ全国に伝わっている。割と真面目に研究する価値があると言える。
 基本的に流行したのは「小学生」の間であり、こう言った「くだらないギャグ」が広がる「当時のラジオ」も聴いていようはずがない。
 しかし、こう言った「謎の伝播」は他にもある。

 「口裂け女」「トイレの花子さん」などの都市伝説だ。


 これらが広がった原因のひとつには、保護者による「おとぎ話」による教育の側面があったとされる。
 旧来より「悪い子は鬼に食われる」と叱りつけたおとぎ話と同じく、児童が暗くなる時間まで遊び回らないように、人気のないところに1人で行かないように、という戒めがあり、また、怪談やファンタジーに憧れる子供の世代がマッチした結果ではなかろうか。

 しかし、「ブタが道をゆくよ」は伝播する「元の歌」が見つからなければ、広がる理由も少ない。
 だが、長年のワタクシの研究で、その片鱗は見えてきた。


 ボーイスカウトである。


 つまり、元になる「歌」そのものは、ラジオか何かで高校生や大学生が拾い聴きしたものなのではないだろうか。
 それをボーイスカウトで披露したものを小学生が広めたと考えると辻褄が合う。
 相当に広い範囲も、ボーイスカウトのネットワークならカバーできる。
 ボーイスカウトのキャンプファイヤーなどで、これが「手あそびうた」に変化し、世代を超えて広がっている、という可能性だ。今のところ、証言なども含め、ボーイスカウト説が最有力である。

 ところで、この歌の4番の「宇宙人」だが、

 ワタクシの伝え聞く幻の4番とは、いささか違う。
 そう。ワタクシがこの歌の研究をしている時に出会った4番はコレである。


 ブタが〜 道を〜 ゆくよ〜(ぶったったー ぶったったー♪)

 前から


 肉屋が来るよ〜


 (ぶったったー ぶったったー♪)

 ブタは
 死ぬのが


 イヤだけど♪


 肉屋に刺されて逝くよ〜(ぶったったー ぶったったー♪)



 。・゜・(ノД`)・゜・。 ブタさぁぁ〜ん!!



 (´・Д・)」 そんな訳で、皆さんからの「豚が道をゆくよ」情報をお待ちいたしております。



 ※ この記事はすべて無料で読めますが、この研究に価値を感じた方は投げ銭(¥200)をお願いします。
 なお、この先には「ガッチャマンのうた」に関する別情報が書かれています。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。