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飯能育ちにとっては、宮沢湖はムーミンではなくミニ遊園地と湖の水が抜けた事件や宮崎勤事件の思い出

埼玉県飯能市宮沢にある宮沢湖。今は「ムーミンバレーパーク・メッツァビレッジ」として、ムーミンや北欧の世界を体験できるテーマパークとなり、観光客で賑わっている。飯能を一躍有名にしてくれた。
しかし、飯能育ちの自分にとっては、宮沢湖は身近なミニ遊園地であり、釣りで有名な人造湖でしかも人為的ミスで(!?)水が抜けてしまったり、そして世間を震撼させた宮崎勤事件(東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件)で話題になった現場の近く、という色々とネタが多い場所である。

まず、宮沢湖といえば遊園地。西武グループが運営していた「レイクサイドパーク宮沢湖」である。
飯能市内にある一番身近な遊園地だったのだが、飯能育ちなのになぜか2回くらいしか行った記憶がない。中途半端な遊具数やお金がかかるということで、遊園地に行くということなら西武園ゆうえんちや豊島園の方が多かった。
記憶にあるのはサイクルモノレールという、空中をモノレール形式の自転車で漕いで進むアトラクションと、アーチェリーなどのスポーツアトラクション。正直それ以外、どんなアトラクションがあったかなどはまったく記憶にない。それくらい、自分にとっては馴染みのない地元の小さな遊園地であった。
先ほど書いたが、運営は西武グループだった。実は祖父が西武グループで定年まで長年働いていたこともあり、西武グループ関連の施設は特別優待や割引があって小さい頃からよく利用していたのだが、なぜか宮沢湖は疎遠だった。やはり魅力の無さの問題だろうか。

馴染みのない宮沢湖ではあったが、地元で話題になった事件がある。1つ目は宮沢湖の水を誤って抜いてしまった事件。宮沢湖は人造湖のため、人為的に水を堰き止めている。そしてそこにヘラブナやワカサギを放流し、釣りが盛んで有名であった。
が、とある日に係員のミスで湖の栓が抜かれたまま放置されてしまい(地元の噂ではそうなっていたが、機器故障の可能性あり)、湖の水がなくなる事件が発生した(1996年)。しかも水と一緒に魚も流出してしまい、そのうえ水がなくなった湖底から拳銃が見つかるなど、巻き込み事故(事件?)もピタゴラスイッチ的に発生。「宮沢湖の水が栓が抜けて無くなったらしい」という話は、あっという間に飯能市民の間に広まった。飯能市民なら知っている、プチ事件である。

一方で、宮沢湖のキーワードで知られている大きな事件といえば「宮崎勤事件(東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件)」である。
実際には宮沢湖ではなく、すぐ近くの宮沢湖霊園が事件の舞台なのだが、1989年に宮沢湖霊園で被害者の少女の遺体が発見された。当時既に連続幼女誘拐殺人事件が世間を震撼させており、なおかつ前年の1988年にはお隣の入間と飯能市内の少女が被害にあっていたこともあり、飯能では相当な騒ぎになった。
そしてその後、宮崎勤が逮捕され、警察の実況見分で宮崎勤が連れて来られた時なども、マスコミで相当騒がしかったらしい。
自分はちょうどその被害者達と同年代で、自分の幼少期にこのようなショッキングな大事件が地元近辺で起きていたわけで、自分が知らない・気付かない部分で、幼少期の様々な側面に暗い影響を及ぼしたと思う。そのあたりは別の話で。

何はともあれ、宮沢湖は今や飯能が誇る立派なテーマパークに生まれ変わった。飯能=ムーミンという謎のブランディングも大成功で、宮沢湖があったおかげで成り立っている。飯能市民は宮沢湖に感謝すべきである。
そして自分のように地元民のくせにほとんど宮沢湖へ行ったことない人は悔い改め、ムーミンバレーパーク・メッツァビレッジに通うべきである。そうしないと、飯能にはもったいないほどのこの素晴らしいテーマパーク、北欧に寄り添った飯能のブランディングの柱が失われてしまうかもしれない。


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