★家賃が払えない…。

無い袖は振れない。

それくらいお金に困ったことがあります。

リーマンショック(The Financial Crisis of 2007-2008)直後、30代後半のことです。

証券外務員一種資格を取得して、株式、債券、投資信託などの売買仲介ができるようになり、以後はもっと学んでファイナンシャルプランナーの資格も取り、お金に困らない人生になりたいと期待をしていて、うまく行き始めたようにみえました。

ところがです。

私がキャリアシフト(これまで未経験だった職種への就職に挑戦しました)し、某証券会社へ転職した頃、金融業界は荒れ始めました。もちろん歴史上で金融業界が関わって経済界を揺るがす事件は度たび起こっているのですが、業界新米の私にはあらがえない、強烈なダメージが立て続けにありました。その最たるものがリーマンショックだったのです。

金融業界以外でも、たくさんの非正規雇用者はもちろん、多くの正社員も職を失いました。

せっかくキャリアシフトしたばかりでしたが、私もリストラの対象になり、もう一度キャリアシフトをし直さなければならなくなりました。

ところが、多くの会社がリーマンショックのあおりを受けて、リストラを進めていかざるおえない羽目になっていて、金融業界はもちろん、自分にできそうな仕事の転職先が見つけられなかったのです。

仕方ないので以前やっていた仕事にも戻りましたが、どれも短期契約のものばかり、心は穏やかではありませんでした。

案の定、契約の更新はされず、必要なときに必要な分だけの使い捨て雇用が続きました。

ただでさえ少ない貯金がみるみるなくなり、もう家賃が払えないというところまで追い詰められました。

そこで私がしたことは、大家さんへの家賃の支払い延期のお願いでした。死ぬ必要はないのです。

誠に恐れ入りますが、本日はやむにやまれぬお願いがございます。
といいますのも、現在リーマンショックの煽りを受け、リストラ後の就職がうまくいっておりません。実状いつ仕事に就けるかわかりませんが、現在精一杯努力しております。
再就職できた際は必ずご報告し、家賃支払いのめども立ったら、誠に申し訳ございませんが、分割にて通常の家賃と併せ利息もお支払いいたしますので、家賃支払いの猶予ゆうよをいただきたく、ご理解たまわりますと幸いです。

お願いは、アパートの管理業者を通して行いました。管理会社によると、大家さんは即座に理解を示してくださったそうです。

結局、2か月弱で再就職でき、とどこおっていた家賃も無利息の分割で支払いを済ませることができました。当時の大家さんと管理会社にはとても感謝しています。大変理解のある大家さんで、とても助けられました。

いちかばちか、賃貸住宅に住んでいてお金がなくなったときは、まず大家さんに相談し、それも無理なら公的支援(生活保護)を受けることを選択してもよいでしょう。生活保護は私たちの権利です。恥でもなんでもありません。死ぬ必要はないのです。

リストラに遭った場合は自己都合ではないので(会社都合)、失業給付金も制限期間3か月を待たずにもらえます。直近6か月分の給料の6割程度を1日分に換算して、年齢と保険を掛けていた期間に応じた期間分保障してもらえるのです。私はこの制度で何とか会社都合で打ち切られた無職の期間をしのいできました。死ぬ必要はないのです。

会社都合退職なら、国民健康保険料も安くなります。国民年金の支払いも、延期または免除できます。知らない人、知らない人に教えてあげられる人が足りな過ぎます。死ぬ必要はないのです。

難しいことはまったくなくて、とにかく最寄りの市・区役所やハローワーク、福祉事務所を訊ねれば無料で教えてくれます。死ぬ必要はないのです。

いざとなったら、非正規雇用でも不当解雇に対して、組合だって1人でも作れるのです。死ぬ必要はないのです。

日本国憲法(昭和二十一年憲法)第25条
第1項 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
第2項 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
出典:ナショナルミニマムに関する議論の参考資料(厚生労働省)

これからますますこの国は寒くなってきますから、すべての人にだんがとれる家があることを、心から願ってみません。

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