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【シリーズ連載】:実録!絶対に諦めない「EVおうち充電」第3話 〜デマンド制御 後編〜

前話のおさらい

実録シリーズの第2話では「デマンド制御」についてご紹介しました。

マンションやアパートなどの集合住宅において、ストレスフリーなEV充電環境を実現するために必要となるのが、駐車場へのEV充電コンセントの「全区画設置」。

この全区画設置の実現の際に立ち塞がるのが、電気容量という大きな壁。これを解決するのが、電気の別引込や「デマンド制御」機能だとお伝えしました。

実録!とある ドライブ大好き&遠距離通勤者の事例

EVは、ほぼそのすべてがコネクテッドカーです。すなわち、リアルタイムにインターネットに繋がっています。あらゆる情報がクラウドにリンクされ記録されており、少し工夫をすることによって、そうした情報をユーザが入手することができます。

ここでは、その具体的な方法は割愛しますが、私は TeslaFi というサービスを納車まもなく利用し始め、今日に至るまで利用を続けています。今回、そのサービス経由で入手した、自分自身のデータをお見せしながら、ご説明しようと思います。ナマ情報です、丸裸です。

まず、マンション充電難民だった頃の話から。

2019年秋の納車から2021年の9月末まで、約2年間、ボクのマンションには充電コンセントがありませんでした。複数の充電サービス事業者に相談しましたが、残念ながら設置にまで至りませんでした(当時は、まったく別の業界の別の会社で働いていました)。

おうち充電ができない状態ですから、数日に一度、近くのカーディーラーに設置されているCHAdeMO急速充電スタンドや、公共公園敷地内に設置された充電設備、そして、テスラのスーパーチャージャーに通い詰めて充電していました。

このへんの一部始終は、昨年、NHKの番組に出演した際、詳しく紹介されていますので、ぜひご参考下さい。*このときはユビ電の社員ではございませんでした、念の為。

そんな、マンション充電難民だった頃の、ワタクシのEVライフの統計がこちらです!

マンションにEV充電コンセントを設置前(before)

・・・当然ですが、急速充電に頼る日常です。例えて言うなら、毎日「レッ●ブル」を飲んでいるようなものでしょうか。*この件については最後に触れます。

わずか7%の普通充電は、もちろん自宅充電ではなく(まだマンションに充電コンセントがなかったですからね)、趣味の旅行の際に、デスティネーションチャージャーや200V充電コンセントが設置されている旅館やホテルを調べて泊まっていたからです。

まぁ、テスラモデル3は、大きな液晶でNetflixやYouTubeも観られるし、当時は「ぜんぜん充電タイムも苦じゃないぜ!エヘヘ!」って深層心理でも思っていましたし、今でも同じです。

・・・が、一度、マンションで充電できるようになってしまうと、じゃあ、あの時代に戻りたいかと言うと、、、絶対に戻りたくない!というのが正直なところです。人間、生活水準を下げるのは至難の業ですからね。

さて、では、いよいよ「ビフォー・アフター」の「アフター編」です!

マンションで充電、それは「天国」!

ジャーーーーン!こちらが、マンションにWeCharge充電コンセントを設置してから本日までの、ボクのEVライフの統計データです。

マンションにWeCharge充電コンセントを設置後(after)

当たり前ですが、マンションでの自宅充電がメインです、約8割!もう、充電スタンドに通う日々とはオサラバです。

・・・でも意外と急速充電の割合も残っているのは、おそらく1年前に、某充電事業者(要するにユビ電 笑)に転職したからです。仕事柄、現地調査などで遠くの地までクルマで出張する機会が急増して、経路充電として急速充電に頼る機会が増えました。

まだ誰も見たことのない「景色」を想像する。

さて、本題です。

マンションに充電コンセントを設置した「ドライブ大好き」なボクですが、それでも、1日あたりの充電時間は「3時間程度」なんです。

EVにまだ乗ったことのない方って、とにかく「電欠(ガソリン車におけるガス欠のこと)」を心配されます。実はボクもそうでした。心配のあまり、電欠時レッカー移動特約のある自動車保険に加入したほどです。

でも、その心配は杞憂です。3年半以上EVに乗ってみて、電欠した経験はゼロ。なぜなら、EVはその電池寿命を最大限に活かすためにも、だいたい20%〜80%の電池残量を維持するように、日々の継ぎ足しのようなスタイルで充電するのが一般的だからです。多くの方のスマホの利用方法とおんなじですね。

だから「今日、たまたま充電ができなかった!」からって、大騒ぎしたり、クリティカルな事態にはまずならないんです。もしくは、そうならないような充電ライフを自然と実施するようになるんです。

なので、ドライブが好きな方がいらっしゃったとしても、マイカーでの走行距離なんて、およそ知れていますから「デマンド制御」のことについて今から深く悩むのは杞憂なんです。安心して、WeChargeにお任せ下さい。

それでも心配だとおっしゃる方に、WeChargeのヒミツをもうひとつ。

WeChargeのスマート分電盤「WeCharge HUB」には、インターネットに接続するモジュールが搭載されていて、常時クラウドに接続されています。この仕組みが、これから日本が経験する本格的なEVシフトを絶えず見守ってまいります。そうした「実際の充電ログ(もちろん匿名情報ですよ!)」を解析・分析することで、今後さらなる理想的な「デマンド制御」を開発・改善していくことが可能になります。そうした経験知に基づくノウハウをアルゴリズム化して、みなさんのマンション・アパートに設置されたスマート分電盤にアップデート配信することだって出来るのです。

だって、インターネットに繋がっているIoT機器ですから!

EVにおける「バッテリー」のリアル

というわけで、前編と後編の2回にわたり届けしてきた今回の「実録シリーズ」ですが、集合住宅の駐車場の全区画でEV充電できる環境を実現するためには「デマンド制御」が有効かつ必須であることをご理解頂けたことと思います。

キレイにまとまったところで、そろそろ筆を置こうと思ったのですが・・・、これで終わっては「実録」感が弱いですよね。

実はこれからご紹介するテーマは、正直に言うと、触れようか触れまいか迷ったのですが、勇気を出して、筆を進めることにしました。

ここからは、「SoH」の話です。

SoHとは、State of Health の略。すなわち、バッテリーの健全度や劣化状態を指す指標です。

スマホやデジカメやドローン等と同様に、EVに搭載されているバッテリー(電池)も当然、経年劣化していきます。これは不可逆的なもので避けようのないものです。でも、その劣化のスピードは、実は充電の仕方で大きく変わるんです。

このネタだけで、たぶんご飯10杯くらい食べられてしまうテーマなので、あまり深堀りするのはやめておこうと思います。

EVに3年半実際に乗ってきた1ユーザとして、みなさんにぜひ覚えておいてほしいのは、「急速充電ばかりに頼ったEV運用は、そのバッテリーの劣化を早める」という現実です。

もちろん、かつての私のように、そういう運用をせざるを得ない方や、あえてそうしている方もいらっしゃるかと思います。なので、こういう表現を不快に感じる方もいるとは思いますが、あくまで自分自身の実体験としてお伝えすることをお許しいただければと思います。

では、いよいよ今回の「実録」のクライマックス(?)です。

世界平均を大きく下回った筆者EV: 「急速充電メイン」のEV運用

下記は、私のEVのバッテリー劣化度(の目安)を表したものです(TeslaFiによる)。期間は「マンションに充電コンセントがなかった時期=急速充電スタンドに通っていた期間」です。

あくまでひとつの目安ではありますが、明らかに同型モデルの世界平均を大幅に下回っています。

急速充電メインだった期間のバッテリー劣化度
(青:筆者のEV、緑:同型モデルの世界平均値)

なかなかショッキングですよね。ボクも、当時このグラフを観たときは、2晩くらい眠れなくなりました。

さて、気になるのは「マンションに充電コンセントを設置してから」です。

では、「ビフォー・アフター」の「アフター」です!

コンセント充電がメインとなった期間のバッテリー劣化度
(青:筆者のEV、緑:同型モデルの世界平均値)

じゃーーーーーん!

・・・まぁ、一度劣化してしまった「差」を縮めることは不可能なので、仕方ないのですが、どうですか!?

マンションの充電コンセントで毎日充電するようになってからは、劣化がほとんど発生していない(まぁ誤差かもしれませんが、むしろ緩やかな改善傾向にある!?)のが、お判り頂けるかと思います。

正直、SoHにここまでの違いがでるとは思いませんでした。びっくりです。

あくまで「私のEV」の場合、という前提にはなりますが、電池と充電の特性から考えても、この現象は別に特別のことではなく、ある意味で当然のことなのです。

実生活でも、栄養ドリンクは毎日飲むものではないですよね。たまーに飲むから効くし、便利でもあります。でも毎日飲んでいたら、体を壊してしまいます。

このことは、世界でもっとも多くのEVを販売している、あのテスラも自社アプリ内で説明しているんですよ!

テスラアプリ内で確認できる「充電に関するアドバイス」
引用:Tesla iOS アプリ

しっかり、書いてありますよね。

「毎日の充電は自宅で(ゆっくり)」
「スーパーチャージング(急速)は長距離走行のときだけ」

テスラに限らず、基本的にどのEVも同様です。

このことさえ覚えておけば、私のEVのようにならずに済みます。

お伝えしたかったのは、マンションやアパートにお住まいのEVオーナーの方、もしくはEVを持ちたいと思っている方に「絶対にEV充電を諦めないで下さい!」ということです。

WeChargeが全力でサポートします。お気軽にご相談下さい!

次回予告

実録!絶対に諦めない「EVおうち充電」シリーズ。前編と後編の2話にわたりデマンド制御についてお届けしてまいりましたが、いかがでしたでしょうか?

ぜひ、感想やご意見など、お気軽にお寄せ頂ければと思います。また、こんな話題についてとりあげて欲しいといったリクエストもぜひご連絡下さい。

次回は「全区画設置のための合意形成ってどうするの?」をお届けする予定です。

大勢の方が住まう集合住宅。価値観や意見も十人十色。そんななかで、いったいどうやって合意形成をしていくのか?意見対立で住みにくくなったり住民同士が分断するのは嫌ですよね。でも資産価値を守っていくのはすべての住民にとって最大の関心事です。もちろん次回も「実録シリーズ」ならではのナマナマしさでお届けする予定です。ご期待下さい。


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この記事をお届けしたのは・・・

文: ユビ電株式会社 幅 朝徳

電気自動車の充電といえばWeCharge
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