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苦情・批判のあった戦隊作品

スーパー戦隊シリーズは、ウルトラシリーズ・仮面ライダーシリーズとともに、40年以上にわたって放映されている長寿シリーズとして知られている。もともとは3歳~6歳までの児童層をターゲットに制作された特撮作品であったが、1980年代後半以降は児童層から成人向け、ファン向け、女性向けに特化した路線へシフトしている。そんな数多くの作品が放送されている戦隊シリーズにもたくさんの批判と苦情が多く寄せられることもあったのです。

●ジャッカー電撃隊

スーパー戦隊シリーズ 第2作目のジャッカー電撃隊

前作の「秘密戦隊ゴレンジャー」が2年間放送されるなど大人気を得たため、新たなマーチャンダイジング展開や番組の長期化によるマンネリ化対策として製作された作品である。しかし、番組開始当初から「前作のゴレンジャーが5人組だったのに、なぜ4人組なのか?」、「臓器売買や麻薬密造など話が残酷で難しい」、「子供が話しについていけない」といった意見が多く寄せられ、番組は全35話で打ち切りとなった。

●太陽戦隊サンバルカン

スーパー戦隊シリーズ 第5作目の太陽戦隊サンバルカン

戦隊チームが男性3人のみで構成されており、女性メンバーが1人も存在しないことが最大の特徴である。女性メンバーの不在に対しては放映当時から女児層をはじめとした視聴者から女性メンバーの復活を望む声が多数寄せられた。そのため、次作「大戦隊ゴーグルファイブ」では女性メンバーが復活した5人構成となり、以後のシリーズにも男性メンバーのみの作品は存在していない。

●超新星フラッシュマン

スーパー戦隊シリーズ 第10作目の超新星フラッシュマン

本作品では、幼少期に宇宙人にさらわれた5人を主人公とし、従来の地球を守る戦いのほかに、彼らの親捜しもストーリーの中心となっており、5人が親を探すという設定は、1981年の訪日調査開始をきっかけに社会的関心を集めていた中国残留日本人孤児の問題がテーマの1つとして取り入れられたものである。オープニングで戦士(俳優)を紹介するときの映像で「女性戦士の顔が怖い」とクレームが付いたため、途中から新たに撮影された映像に変更された。

●鳥人戦隊ジェットマン

スーパー戦隊シリーズ 第15作目の鳥人戦隊ジェットマン

1980年代後半、東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件などの影響により、特撮作品やアニメに対しての性的・暴力的表現が厳しくなり、前作の「地球戦隊ファイブマン」も不振に終わってしまった。その反省を踏まえ、制作陣たちは当時のトレンディドラマ人気を反映させて、大人向けの作品として製作されたのが今作である。喫煙・飲酒・ギャンブルなどの描写や残酷なシーンも出てくるため、「子供番組にしては内容が過激なのではないか?」といった批判もあったという。

●超力戦隊オーレンジャー

スーパー戦隊シリーズ 19作目の超力戦隊オーレンジャー

当時、「秘密戦隊ゴレンジャー」と「ジャッカー電撃隊」は原作者が異なるり、スーパー戦隊シリーズに含まれておらず、バトルフィーバーJがシリーズ1作目の扱いだったため、今作は戦隊シリーズ20周年記念作品として製作された。本編では女性戦士の水着姿のシーンなども出てくるため、「若い女性の水着姿は子供番組に必要なのか?」といった批判もあった。その一方でオーイエロー・二条樹里役の麻生あゆみは、旭化成の水着キャンペーンガール出身だったことから劇中で水着になることには抵抗が無く、女性視聴者からのファンレターも多かったので同性から好かれるのは光栄であると明かした。

●激走戦隊カーレンジャー

スーパー戦隊シリーズ 第20作目の激走戦隊カーレンジャー

不条理なギャグやスーパー戦隊シリーズのセルフパロディが盛り込まれたシュールな物語が展開され、ギャグが目立つ一方でシリアスな話もあり、これらのバランスは絶妙なものとなっている。それまでのシリーズとは異なる作風であることや女幹部の衣装などに対して批判を受けることもあり、その結果が反映されたせいか、当時、最低視聴率を記録した。

●星獣戦隊ギンガマン

スーパー戦隊シリーズ 第22作目の星獣戦隊ギンガマン

恐竜戦隊ジュウレンジャーのコンセプトを受け継いだファンタジー戦隊でヒーロー側ではなく、敵組織である宇宙海賊バルバンのデザインが非常によく出来ていることも特徴である。特に女幹部シェリンダはとにかく露出度がかなり高いコスチュームだったことで「子供たちが見るには不適切」・「子供番組にこのようなキャラは不要ではないか?」という意見が多く寄せられたため、この作品以降はシェリンダのような露出の激しいコスチュームの女幹部は自粛された。放送当時の90年代はインターネットがまだ一部にしか普及していなかった時代であり、クレームや視聴者の意見などは番組で募集し、ハガキで寄せられていた。

●未来戦隊タイムレンジャー

スーパー戦隊シリーズ 第24作目の未来戦隊タイムレンジャー

高年齢層も視野に入れた「大人向け」の作品作りがなされており、主人公たちの恋愛模様などを織り込んだストーリーもそれが色濃く表れている。開始当初から「内容が子供向けではない」、「主題歌の英語交じりの歌詞が難解である」という意見が多く寄せられた。高年齢層に好評を得た一方で本来のターゲットである児童層への人気は低かった。

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