日本で韓国の女性アイドルグループと言えば、KARAや少女時代、TWICEなどがよく知られており、現在に至るまで数多くのグループが日本でも人気を得ている。では韓国で女性アイドルグループが登場したのはいつ頃からなのか?

●1990年代後半から誕生した第1世代のガールズグループ

1980年代～1990年代前半までの韓国では"アイドル"または"K-POP"という言葉が使われていなかったため、基本的にその時代に活躍していた歌手たちはアイドルとして扱わないのが一般的です。そのため、韓国で一番最初にアイドルコンセプトで活躍したのは事実上、この第1世代と呼ばれる女性グループたちと見るのが正確である。デビュー順に代表的なグループを挙げると、Baby V.O.X→DIVA→S.E.S→FIN.K.L.となる。次々とガールズグループが登場し、活動が目立ったのが1990年代後半でした。彼女たちの活躍は、それまで男性歌手が中心だった韓国音楽界で女性歌手＆女性アイドルがエンターテインメントとして格上げされ、男性歌手と同等に肩を並べるきっかけとなり、大きな影響を与えた。K-POPアイドルとしての女性グループの歴史はこの世代が元祖となります。

※第1世代以前に活躍していた韓国の女性グループ
この時代のガールズグループは、日本のアイドル文化(Wink、少年隊、少女隊の人気)に影響を受けていたこともあって主に2人組～3人組で活動するのが主流でした。そして、この時代のグループの活躍や音楽などに影響を受けたアイドルグループの登場も現在は皆無である。基本的にアイドルとしては扱わず「歌謡グループ」や「音楽グループ」または「ダンス歌手」・「企画モノグループ」と評価するのが正確です。音楽面でも同様にK-POPではなく、「歌謡曲(韓国歌謡)」・「ポップス」・「トロット」に近い音楽と見るのが正しい。

●セトレ

所属事務所：Qプロダクション
1980年代後半に韓国でアイドル的な人気を獲得した音楽グループ。現在のK-POPアイドルグループとは曲構成やグループの性格が多く異なり、活動期間も短命だったため、「日本のアイドルを模倣した企画モノグループ」として評価する方がより正確である。1987年に日本のアイドルグループ"少女隊"のコンセプトに沿って結成。グループ名はメンバー全員が159cmの身長で19歳の同い年という意味で名付けられた。

●APPLE

「女性版ソテジワアイドゥル」 / 所属事務所：半島レコード
1993年7月にデビューした3人組のガールズグループ。本来はアイドルに分類されないが、韓国で初めて「アイドルコンセプト」を試みた音楽グループである。80年代後半に活躍したセトレから続く3人組の流れとヒップホップファッションを取り入れたスタイルで登場した。

アイドル的なルックスに歌って踊るスタイルで、同じ3人組の男性グループ・ソテジワアイドゥルの女性版として結成された。しかし、当時の韓国の音楽界では女性歌手の地位が低く、女性歌手の活躍する市場も狭かったため、アルバムを1枚発表した後、解散した。

●S.O.S

「韓国のCoCo」 / 所属事務所：サムファプロダクション
1993年9月にデビューした韓国初の日韓合作の女性グループ
韓国のサムファプロダクションと日本のポニーキャニオンによって設立されたサムフォニーレコードからデビュー。日本の女性アイドルグループ・CoCoのような路線を目指していた。韓国と日本の並行活動を試みるなど、当時としてはとても破格的な活躍をした。

同時期に活躍していた3人組のAPPLEとライバル構図となっていた。実際に音楽番組でもAPPLE vs S.O.Sという形で共演したこともある。アイドルコンセプトでデビューしたグループではあるが、K-POPアイドルとしては扱わない。活動も短命だったこともあり「日韓合作の企画モノユニット」といった印象が強い。

●SeSeSe

所属事務所：喜レコード
1995年5月にデビューした3人組の女性グループ
女性歌手のキム・スヒが代表を務めていたヒレコード所属でグループ名はデビュー前に歌やダンスの練習帰りに子供たちが「せっせっせーのよいよいよい～」と楽しく歌って遊んでいる姿を見て名付けた。ハスキーな歌唱力とボーイッシュなスタイルで活躍した。1980年代後半に活躍したセトレ～1997年にBaby V.O.XやS.E.Sなどの第1世代のアイドルが登場するまでの間、ある程度の知名度と人気を獲得した女性グループだった。

※まとめ
1980年代後半～1990年代前半、これらのグループを通過点として実質的に大衆へ本格的に位置づけられた確かなK-POPアイドルは1997年にデビューした第1世代のガールズグループである。