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家の祖父の不思議な話し。最後の祖父の姿

僕の祖父は2年前に亡くなりました。
大好きだった祖父。その前の年に僕の祖母もこの世を去りました。
僕にとってとっても大事な存在が立て続けに亡くなって
心に大きな穴が空いたようでしたが。祖父と祖母が残してくれた大切な物は今でも美しい思い出として僕たちの心に残っています。

僕が最後に見た祖父の顔
それは今でもはっきりと覚えています。
棺に入った祖父。僕はその祖父の顔を今でも忘れることがありません。

扉を開けて覗き込んだ祖父の顔
僕は咄嗟にこう言いました

「あれ?棺を間違えてしまったのか?」

どう見ても体系や背格好は祖父で間違いないのですが
顔だけが異様に痩せ細って、肌艶が良く、まるで40歳くらいは若い顔に見えたんです。

「祖父はもっと顔が丸かったし、目の周りはもっとシワが寄っていた」

でも祖父の目元は綺麗に肌が張っており、顎の形はがっしりとしていて、下手すれば家の親父よりも若く見えたんです。

それともっと驚く所は、彼の口元が緩み、まるで微笑んでいるように見えたんです。
祖母が亡くなってから、祖父は心を閉ざしていました。
祖母の看病をするということが彼の生きがいであり、毎日のように病院へ通い、祖母の世話を焼いていました。
祖母が亡くなった日から、祖父の様子がおかしくなり
時に底抜けに明るいかと思えば、悲観に暮れて母の声を聞いたらわんわんと泣いていたのです。

「俺なんてもう後が短いから、食べたいとも、何かをしたいとも思えないんだよ」

遠方に離れている祖父が心配になり、僕は毎日のように祖父へ電話をしていました。
時に諦めたかのような弱々しい声でそんな言葉を言っていたものだから、僕はどうにか元気になってほしいと彼に色々と提案したり、時には長く話を聞いてあげていたのです。

が僕の祈りも虚しく、彼は肺炎でこの世を去ったのです。
僕が最後に見た祖父の顔はそんな弱々しい祖父の顔ではなくて、エネルギッシュで生気に満ち溢れた表情だったんです。

母は後に祖父の事をこう話していました

「あのときの祖父の顔は、私が若い頃に見ていた顔だった」

僕は当然その頃の顔を見たことがないので、そういうことだったのかと腑に落ちたんです。

父がもっとも楽しかった時期
最も幸せに感じていた時期
その姿できっと祖母に会ったのだと。
ふたりとも幸せだった姿で再び再開をする。
まるで映画の中のワンシーンの様ですよね。

「なんて素敵な最後なのだろう」

祖父のひょうきんな表情も
真面目な表情も
時には怒っている表情も皆僕の頭の中で駆け巡り
そして沢山の思い出を下さった事に深く感謝をしました。

そして僕の母、僕の叔父は時が経つにつれて祖父の顔に似てきたんです。二人が顔を合わせて会話をしている横でマジマジと眺めているとまるで祖父が側にいるような感覚になったんです。

地の繋がらない子どもたちを一生懸命育てた祖母
そしてその祖母を一生涯愛した祖父。
僕は改めてそんな素敵な二人の孫として産まれた事に深く感謝をしたのです。


そして最後の火葬場で見た祖父の顔は
僕たち孫がいつも見ていた、ひょうきんな祖父の顔でした
顔が少し丸っとして、優しそうな表情を浮かべる祖父の顔でした。


世の中不思議なことは沢山あるけれど
この日ほど不思議に感じた出来事はありません。
きっと僕たちはその出来事をずーっと大事に胸の奥にしまい込んで、時には思い出していくのだろうなと思います!

孫の中でも最も僕が祖父に似ていると言われて来たんですよ。ひょうきんな所も、心配性な所もB型な所も、
言動も、行動も似ているみたいwそして若い頃の頭のじいちゃんと今の僕が似ているそうですね!
なんだか嬉しいなぁー

あっでもね…

一つだけ嫌な部分があるんだ

それは

じいちゃん薄毛やねん…


それだけはマジで遺伝しないでよ

それは従兄弟の方へ飛んでいって欲しいところだわー

ハッハッハ!


それではまたー💦

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