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スイッチOTC医薬品数は2,740品目

こんにちは、薬剤師の生越です。
日々の生活の中で、寒くなったり環境が変わり、突然の体調不良に見舞われることは誰にでもありますよね。そんな時、すぐに医療機関を訪れるのが難しい場合もあります。そこで活躍するのが、市販薬OTC(Over The Counter:カウンター越し)の薬です。今回は、その中でもスイッチOTCについて、ご紹介したいと思います。
最後にはスイッチOTC医薬品で多く商品に使用される成分は何か?という事まで紹介します。


スイッチOTC医薬品とは?

スイッチOTCとは、もともとは医師の処方が必要だった薬が、条件付きで薬局やドラッグストアで手軽に購入できるようになった市販薬のことを指します。これにより、症状に合わせて迅速に対処することが可能になります。

どのような薬がスイッチOTC医薬品になっているの?

日々厚労省からアップデートされており、約2,740品目も承認されています。(2024年2月時点)ちなみに指定部外品を除く市販薬全体では8,606品目(2020年12月情報)という報告があります。

どうしてスイッチOTCが必要なの?

多くの方が「市販薬は効果がない」「何を選んだらいいのかわからない」と感じています。しかし、スイッチOTC薬は、その安全性と有効性が認められたものだけが選ばれています。つまり、正しく選び、適切に使用すれば、様々な症状に効果的に対応できるのです。

スイッチOTC医薬品にはどのような成分が多いの?

少しマニアックな情報ですが、スイッチOTC医薬品に含まれる商品はどのような成分のものが多いのでしょうか?

出典:厚労省「スイッチOTC:成分ごとの品目数」を弊社にて一部編集

第1位:イブプロフェン(331品目):非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の一種で、炎症を抑えるだけでなく、解熱や鎮痛作用もあります。頭痛、生理痛、筋肉痛などに用いられます。



第2位:インドメタシン(320品目)イブプロフェンと同じくNSAIDの一種ですが、抗炎症作用があります。腰痛や肩こりなどに使われることが多いです。

第3位フェルビナク(291品目):また別のNSAIDで、局所鎮痛・抗炎症作用があります。クリームやゲルとして関節痛や筋肉痛の部位に直接塗る商品もあります。


第4位プレドニゾロン吉草酸エステル(250品目):ステロイド薬の一種で、強力な抗炎症作用があります。炎症を抑えるアンテドラッグの外用ステロイドです。アンテドラッグとは患部(局所)ではすぐれた効果を発揮した後、体内(全身)に吸収されてからは、速やかに分解するように設計された薬剤です。


第5位ロキソプロフェン(189種類):イブプロフェンに似たNSAIDで、鎮痛・抗炎症・解熱作用があります。幅広い痛みに対して用いられます。


第6位ジクロフェナク(136種類):強力なNSAIDで、炎症と痛みを効果的に抑えることができます。様々な種類の痛みや炎症に対して使われます。


第7位フェキソフェナジン(93種類):第二世代の抗ヒスタミン薬で、花粉症などのアレルギー症状の緩和に用いられます。眠気を引き起こしにくいのが特徴です。


第8位ブテナフィン(89種類):抗真菌薬で、特に皮膚の真菌感染症(たとえば水虫)に対して効果があります。


第9位テルビナフィン(84種類):ブテナフィンと同じく抗真菌薬ですが、爪白癬(爪の真菌感染症)などにも有効です。


第10位クロモグリク酸(61種類):アレルギー反応を抑制するために使われる薬で、特に喘息やアレルギー性鼻炎の予防に役立ちます。

まとめ

抗炎症薬(痛み止め)を中心に、花粉症や水虫のお薬がスイッチOTCが製品化されています。現在、さまざまな箇所でセルフメディケーションやスイッチOTCについて議論されていますが、今後どのように拡大や制限されていくのか注目です。

私たちの生活に身近な存在となっている市販薬ですが、その中でもスイッチOTC医薬品は、以前は医師の処方箋が必要だった薬が手軽に購入できるようになったことで、日々の健康管理がより一層手軽に、そして迅速に対応できるようになりました。

しかし、効果的に利用するためには、正しい知識が必要です。自分の症状に合った薬を選ぶこと、適切な使用方法を理解することが大切です。OTC医薬品を利用する際は、常に最新の情報をチェックし、かかりつけの薬剤師や医師との相談を怠らないようにしましょう。皆さんの健康と生活の質の向上に、この記事が少しでも役立てば幸いです。今後も、より良い健康管理のための情報を提供していきますので、どうぞお楽しみに!

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