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【高齢化/多様化進む中、次世代担う学生の自分ごと化へ】産学連携でバリアフリー社会を追体験学習

WHILLの取り扱い自動車ディーラーの1社である栃木トヨタとWHILL社は2023年11月22日(水)に、東京海上とNPO法人アクセシブル・ラボと協力し、地元の学生を対象としたバリアフリー/バリア社会を追体験する課外学習を企画・実施しました。

普段何気なく歩いていたり、生活したりしていると、施設内のバリアフリー環境や、まちなかに潜むバリアについて実はあまり気づかないもの。しかし、高齢化や多様化が一層進む中、あらゆる人が快適に移動しやすいユニバーサルなまちづくりは重要さを増し、WHILL社としては、全世代が一丸となって取り組むべき事柄の一つだと捉えています。

次代を担う学生や、将来の自分たちのために、何か考えるきっかけや一石を投じられないかと考え、座学にとどまらず実際に近距離モビリティWHILLでの商業施設内の移動を通じて社会のバリアフリー/バリアを体感する課外学習の機会を設けるに至りました。

その様子を現地からお届けします。
総括すると、協力いただいた皆様の力総結集で、初対面の学生さん同士、我々主催者側も全員がOne Teamで真剣に取り組無ことができた良い学習機会になった・・・!と終始胸いっぱいな1日でした。


ことの始まりは「ミナテラスとちぎ」開業2周年を記念した何かをやりたいという提案

遡ること夏。

宇都宮市には、栃木トヨタが運営する地域コミュニティ施設「ミナテラスとちぎ」があるのですが、2023年10月はちょうど開業2周年を迎える時期でした。

セミナールームや芝生広場、カフェ、キッチンスペースなどが併設

地域の移動を支え、地域に根ざした活動を行う栃木トヨタならではの素敵なコンセプトから誕生したこの施設で、何か2周年の節目に、よりよい栃木になるようなイベントや取り組みをやりたい!と提案させていただいたのが、このプロジェクトの発端です。

当初は、車社会地域のシニア世代向けに、WHILLを絡めながら、いつまでも暮らし続けられる安心安全な移動社会に向けた取り組みを考えていました。

しかし、「せっかくやるなら、幅広い世代にも自分ごと化してもらえるような、社会にもっとインパクトがある大きいことをやろうよ!」と栃木トヨタの新井社長からもご助言をいただき、今回の「産学連携でバリアフリー社会を追体験する学生向け課外学習」を実施するに至りました。

ポカポカと小春日和の中、ミナテラスとちぎでWHILLが待機中

産学連携でバリアフリー社会を追体験する学生向け課外学習 概要

本取り組みは、WHILLで実際に道路やショッピングモール内を移動してみるという実体験を通じた自分ごと化により、日々の暮らしの中で、新たな見方や行動変容を提案する狙いがありました。

地元の学校とも連携し、地域デザインやまちづくりなどについて学んでいる宇都宮大学生に来ていただいたほか、星の杜高校でも募集をかけたところ、定員6名に対し、倍の12名が参加を希望!嬉しすぎます…。

参加をしてくれた高校生の一人に理由を聞いてみたところ

面白いなと感じた課外学習はたまに参加しているんですが、こういった乗り物に乗ったりする機会はあまりないから試してみたいと思って

とおっしゃってくださいました。積極的に見たり聞いたり試してみたり、、そんな姿勢をお持ちの学生と一緒に学べたことに、とてもジーーンと来ていました。

  • 日時:2023年11月22日(水)13:00〜15:00

  • 場所:ミナテラスとちぎ セミナールーム(宇都宮市インターパーク6-2-1)と、FKD ショッピングモール宇都宮インターパーク店

  • 企画:栃木トヨタ、東京海上、アクセシブル・ラボ、WHILL社

  • 参加者:宇都宮大学、星の杜高等学校 学生 計18名(宇都宮大 6名、星の森高校 12名 ※いずれも希望制)

  • 内容:

  •   アクセシブル・ラボ代表 大塚氏より講演「バリア/バリアフリーとは?誰もが住みやすい地域目指し」

  •   近距離モビリティWHILLの試乗、乗り方講習

  •   グループに分かれFKDでのアクティビティ「施設内のバリア/バリアフリーを探せ」

  •   学生グループごとに結果報告、表彰

新井社長「より良い地域に向けて一緒に考える機会にしたい」

13:00開始。高校生はお友達同士もいる中で、グループにメンバーは初対面同士です。東京海上さんの安定した、そして笑いもある司会進行もあり、場の雰囲気は和やかに開始しました。

栃木トヨタの新井社長は冒頭、学生に対し「より良い地域社会にするために、皆さんと一緒に気づき・考える機会にしていただきたい」と挨拶。

本課外学習の趣旨と今回得てもらいたい学びについて伝えました。

新井社長のアドバイスがもとにコンセプトや企画趣旨が始まったこのイベント。夏から3〜4ヶ月の準備期間を経てきたこれまでが少し思い出されました。

挨拶をする新井社長

続いて、アクセシブル・ラボ代表理事 大塚氏は「バリア/バリアフリーとは?誰もが住みやすい地域目指し」と題し、日常に潜む「バリア」について紹介。

少し話はそれますが、大塚さんは、WHILLの初号機であるModel Aを乗ってくださっていた方で、創業当初からWHILLのファンでいてくださっています。当初についても、2011年の東京モーターショーにWHILLが出展しているのをみて、「かっこいい」と思ってくださった、と話してくださいました。

アクセシブル・ラボについて


話を戻します。

大塚氏は「例えば道の段差、エレベーターまでの迂回ルートなど、小さな障害や課題、困りごとがいくつか出てきて重なることが、バリアになる」と説明。
これを解消する(バリアフリーにする)ことで、これまでバリアにより外に出るのを控えていた方が出かけるようになり、経済がより回るようになると解説しました。

大塚さんプレゼン資料から抜粋

そして、少子高齢多様化が進み「マイノリティ」という言葉の意味が薄れつつある中、バリアフリー化は、障害がある方やシニアの方のためだけの取り組みではなく、将来の自分たちのための投資であるとの姿勢を持ってほしいと語ります。

ちなみに、現在”障害者”とされる人々は940万人に上ります(直近のデータだと、1,000万人を超えたとのことです)。これは日本人口の1割、つまり10人にひとりが該当します。

大塚さんによると、よりわかりやすく言うと、日本人の名字の上位7位の人たちを足し合わせた数とほぼ同値!もはや「マイノリティ」という言葉はあまり適さない時代なのかもしれません。

大塚さんプレゼン資料から抜粋


WHILLでまちなかへ、初のモビリティ移動で見えてくる「困った」

続いて栃木トヨタは、普段あまり触れる機会が日常的に少ない福祉車両などを紹介。

その後5つのグループに分かれ、WHILLを試乗、操作の練習を行いました。

WHILLは、歩きづらさを感じるシニア世代や免許返納した方、足腰・体力に不安がある方などを含め誰でも気軽に利用できる近距離モビリティで、栃木トヨタをはじめとする全国の自動車ディーラー100社1,300店舗以上で取り扱われています。

初めて試乗した学生からは「簡単」「芝生も走れるのか!」といった感想が聞かれました。

おどおどする学生もいれば、普段から車や自転車に乗り慣れているのか、スイスイと走行する学生もおり、千差万別の反応がみられてとても興味深かったです。

栃木トヨタ、東京海上のスタッフさんもWHILLマスターなので教え方も上手でわかりやすい。
この日は、Model C2とFを紹介しました。

一連の体験を終え、WHILLの操作に慣れたり安心な乗り方を知ってもらったりした後、実際に近くのFKDショッピングセンターへWHILLで移動。

WHILLで巡って気づいた施設内のバリアフリー設備やバリアを写真に収め、チームで競い合うアクティビティを行いました!

では出発します。

敷地外へ出てすぐに横断歩道を渡ります。


筆者はAグループについて回ったのですが、早速こちらのグループの学生は棚の高さに注目。

チルド商品のドアを開けることの大変さ、一番上にある商品や値札が見えないことへの「困った」を指摘していました。

他には、多目的トイレでは、入り口に至るまでに傾斜があり「WHILLなら全然問題ないけれど、手動車椅子の方だと入りづらいよね」だったり、そもそも男性トイレ側に設置されているため「女性は気持ち的に入りづらいよね」といった発見をしていました。

他のグループからは、バリアフリーなポイントでは「マップの位置が低めでみやすかった」「エレベーターに鏡があった」など。

一方、困ったなというポイントでは「化粧品店の鏡が高いところに設置されていてみづらい」「多目的トイレでも、入り口が狭く入りづらい」といった声。

学生さんが集めてくれたメモにもびっしり書かれています。これは「たくさんあるから良くない!まずい!」と捉えてほしい、伝えたいのではなく、これまで気づかなかったことにたくさん気づいてくれたことにがシンプルに嬉しいということを知っていただきたいのです。

アクティビティで見つかった発見の数々

自分たちも体験して気づいた「困った」は、きっと車椅子ユーザーやWHILLユーザー、もしかしたらベビーカーを使っているご家族、お子様連れはもっと頻繁に困っているかもしれません。

そして、こうした「困った」がちょっとずつ改善されれば、何気なく日々を暮らす元気いっぱいの若者にとっても、もっと便利で快適な世の中になるのではないのかなと思います。

「歩いていても、目線が変わり気づくことが増えた」

約30分のアクティビティを終え、ミナテラスとちぎに戻ってきました。

気づきを各グループより発表報告。
上述の通り、多機能トイレが男性トイレ側にあることで女性が少し使いづらい点や、エレベーターの場所が分かりづらい点、棚にたくさん商品が陳列されていることにより、通路を通るときに商品を落とさないように注意を払う点など多くの気づきが発表されました。

グループ内で「困った」ことをまとめて発表の準備中。みなさん初対面同士でしたがアクティビティを通じて繋がりも生まれました。

全体を通して、ある学生は「普段と目線が変わって、歩いている時からも車椅子を使った目線で見るようになった」とコメント。知る/知らないのみならず、自分で実際に体験することが大事であると、手応えを感じているようでした。

アクティビティにはゲーム要素があり、実は多くの「困った」要素とバリアフリー箇所を見つけたグループには豪華賞品が授与されました!

優勝チームは19個見つけたAグループ。凄まじい観察力です・・・!筆者もよくWHILLで移動していろんなことを感じたり、自分で発見したりしてみますが、それ以上の気づきを教えてもらいました。
(ちなみに、豪華景品は筆者セレクトの焼き菓子詰め合わせです💓)


WHILL社は「すべての人の移動を楽しくスマートにする」をミッションに、近距離移動のプロダクトとサービスを展開していますが、ただ普及させたいだけではありません。普及や社会浸透をさせていくには、安心快適に移動できるそもそもの土壌だったり文化だったり環境だったりを整えておく必要があります。

創業以来ずっと一貫してやり続けている先駆的なWHILL社は、こうしたそもそもの基盤も一緒に醸成・構築していっています。もちろん1社だけではできず、今回のような色々なステークホルダーと手と手を合わせて取り組むべき事柄ですし、新井社長の言葉を借りれば「社会にインパクトを与える」ためには皆でOne Teamで一丸となって(ほぼ同じ意味ですね)、突き進むことが重要になってくると企画・実施してみて感じました。

あらゆる人が当たり前に近距離移動できる世界を目指して、これからも邁進していかねばなりませんね!


イベント終了後のオフショット。(同じ目線で、乗りながら今日の振り返りをしている様子がどこか愛おしく…)

WHILLは免許不要で「歩行者」扱いの近距離モビリティ

WHILLは免許不要で歩行領域(歩道・屋内外)を走れる近距離モビリティです。電動車椅子規格で開発されており、最高時速は6kmで道路交通法上は「歩行者」の扱いとなります。

左からプレミアムモデルの「WHILL Model C2」、折りたためるモデルの「WHILL Model F」、スクーターモデルの「WHILL Model S」

免許返納前後の移動手段としての利用や、場所や用途によるモビリティの使い分けなどがされており、全国の自動車ディーラー107社1,300店舗以上で取扱いが広がっています。最近はご家族からWHILLをプレゼントするケースも多く、「シニア世代の移動」や「車の卒業」はご本人だけが抱えるものではなく、ご家族皆で一緒に、その後の生活や移動を含めて考えるトピックになっているといえます。

WHILLの全国的な普及は、ここ2年は特に自動車ディーラー🚗を中心にぐんっと広がっています。それに伴い、WHILLの販売台数も2023年第2四半期(4~6月)に限ると、2年前の第2四半期と比較して4.5倍近く爆増!(自動車ディーラーでの販売台数に限ると、8.5倍に劇的に増えています📈)

「日本の移動を、ずっと『安心』へ」
自動車ディーラー全国100社と連携した横断的なムーブメントに

自動車を取り扱う販売店が、人生100年時代に抱える悩みとは? 免許返納・・・?地域の移動課題・・・? その解決策の一つにWHILLがあります。 全国の自動車ディーラーが、人生100年時代において安心安全なモビリティライフを普及させるためにWHILLを取り扱い、「WHILLアライアンス」を締結するまでを描いています。
地域のお客様のため、地元をいつまでも住みやすいところにするため、奮闘する自動車ディーラーの社長たちをぜひご覧ください!

本動画はフィクションですが、事実をベースにしたものです。

WHILLを試乗・購入できる店舗へ

WHILLは、自動車ディーラーなど全国の正規販売店で試乗や購入、相談が可能です。
栃木トヨタの店舗詳細はこちら

また、栃木県以外でもご自宅から行きやすい店舗をWHILL公式HPより探すこともできます。

試乗をご希望の場合、店舗の混雑状況や試乗機体の手配準備などから、事前ご予約をお願いいたします。

県内では那須ハイランドパークなどでも一時的にレンタル可能

WHILLは個人利用の販売のみならず、普段は乗らないけれど広い敷地面積を誇る行った先では使いたいとの要望にお応えし、全国各地の施設で一時的に借りられるモビリティサービスの導入に力を入れています。

足元の栃木県では、那須ハイランドパークやりんどう湖ファミリー牧場でWHILLを利用できますので、ご家族でお出かけやご旅行の際には快適な移動として使ってみてくださいね!

 

 

 

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