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ホンモノの金龍

―五龍神の田無神社

田無神社(東京都西東京市)にまつられている五龍神。東に青龍、西に赤龍、南に白龍、北に黒龍、そして、その中心に鎮座しているのが金龍だ。本殿・拝殿につながる参道を進むと見事な鳳凰ほうおうや龍が彫られた拝殿があり、そこに大きな法具に巻き付いた金龍が見える。これがホンモノの金龍だと信じてお参りしたが、どうやらレプリカの可能性もありそうだ。

連載「五龍神の田無神社」:「長蛇の列にありがとう」「瓢箪から駒な事実

深まる謎

田無神社の金龍は、この神社の主祭神である級津彦命しなつひこのみこと級戸辺命しなとべのみことの2柱が顕現した姿とされる。運気向上、幸福招来のご利益があるそうだ。金龍は実のところ、拝殿のさらに奥にある本殿に置かれているらしい。そこから、この神社全体にキッとにらみを利かせているに違いない。

本殿はちょっとやそっとでは拝観できない。東京都指定有形文化財の指定を受けていて、この神社の公式ホームページによると、一年を通じて「酉の市」のときにのみにしか、拝観を許していないようだ。なるほど、この日にしか金龍は拝めないというわけか。

で、あれば、拝殿にある金龍、つまり、たくさんの参拝客が手を合わせている金龍は何なのかという話になる。インターネット上のどのページにアクセスしても明確な答えは得られない。レプリカかもしれないという思いが強くなる。もっとも、それでも、拝殿の金龍から相当の"圧"を感じるところには驚く。さぞかし、魂が込められた作品なのだろう。

膨らむ期待

果たして本殿の金龍は、一体どんな姿なんだろう。拝殿の金龍と同じく法具に巻き付いているのか。サイズはもっと大きいのか小さいのか。素材はやはり木彫りなのか。どんどん疑問が増えていく。本殿を拝観しない限り、答えは得られない。奥さんもホンモノが見たいそうで、早くも今年(2024年)の夫婦の予定に組み込んだ。

酉の市が待ち遠しい。

(写真:『りすの独り言』トップ画像=りす撮影の素材を基にりす作成)

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