大迫_半端ないって

"新BIG3"という呼び名はやめないか

森保一氏が監督に就任して以降のサッカー日本代表「森保JAPAN」が実に頼もしい。南米の強豪国・ウルグアイ戦での勝利を含め、これまで破竹の3連勝。16日のキリンチャレンジカップ、ベネズエラ戦は惜しくもドローとなり、連勝記録は途絶えたが、それでもテクニックのある南米チームを翻弄する場面が幾つもあり、見応えある試合だった。ただ、この強い日本代表チームでも人材不足感が否めない。

強さの原動力

森保JAPANの強さの原動力は攻撃陣にある。「大迫、半端ないって」で馴染み深い大迫勇也選手のほか、20代前半の中島翔哉、南野拓実、堂安律の3選手の破壊力は、かつて"BIG3"と呼ばれた本田圭佑、岡崎慎司、香川真司の3選手のそれを上回るように思える。メディアでは中島、南野、堂安の3選手を称し、"新BIG3"と持て囃している。

ただ、"新BIG3"が一人でも欠けたら機能しないというのでは困る。ベネズエラ戦では、大迫選手が交代し、中島、堂安の両選手が抜けた後、それ以前に比べてチームの動きが悪くなった印象だった。そのため、たとえ3選手が交代しても、決定力が落ちない選手が欠かせない。南野選手については、そもそも決定機にゴールを外す印象がある。

人材不足感

森保監督は「大迫に代わる選手がなかなかいない」とこぼしている。また中島選手を脅かす存在に原口元気選手がいるが、堂安選手とのコンビネーションはどうか、さらに堂安選手が抜けた際に代わる選手はどうかという問いには、すぐに答えが見つからない。つまり、森保JAPANの強さを支える攻撃陣は非常に脆く、危ういと言える。

先発メンバーの印象を固定してしまいそうな"新BIG3"という呼び名はやめるよう一人のファンとして提案したい。ファーストチョイスとして原口選手と堂安選手を組ませたり、南野選手の代わりに別の選手を抜擢したりなど、現段階ではさまざまな組み合わせを試すべきだ。もちろん、大迫選手の代わりになる選手を発掘したり、育成したりする取り組みも急務だ。

実際、サッカーW杯ロシア大会の日本代表の躍進を支えたのは、"BIG3"ではなく乾貴士選手だったり、原口選手だったりした。確かにこうしたキーワードを使うと、サッカーに通じていないファンが食いつきやすく、その裾野を広げられる効果はある。だが、人材不足感がある現在の日本代表の特定選手にそれを使うのは賛成しない。

(写真〈上から順に〉:大迫、半端ないって=イノウエマナブログ、中島翔哉選手=Qoly、乾貴士選手=ダイヤモンド・オンライン)

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