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父の日と日傘

2020年は6月21日が父の日だ。われわれ夫婦が選んだ父へのプレゼントは紳士用の日傘。事前に買いに行ってくれた奥さんは良いデザインを見つけたらしく、自信ありげな様子。一日前倒しで手渡してきたが、気に入ってもらえるはずだ。願わくば、大事に取っておかず、すぐに擦り切れてしまうぐらい使ってもらいたい。

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母の言葉

父への贈り物を日傘にした理由は母の言葉がきっかけだ。ある日差しの強い日、散歩を兼ねた買い物に出かけようとする父に、無理矢理、日除けのために雨傘を持たせたと聞いた。

日焼けは体力を落とす。病み上がりの父にあまり良くない。帽子をかぶっても強い日差しを避けきれないと見た母は「なりふりなど構っていられない」と思ったらしい。良い判断だ。

ただ、父は本人が思っている以上、見た目を気にする。それを思い出した。さらに、これから夏を迎えることもあり、紳士用の日傘があれば役立つだろうと思いつく。奥さんも激しく同意:「それ、いいね」

デザイン

買い物に行って気に入るものが見つかるかどうかは縁だ。どんなに欲しいと思っていても、自分がイメージするものに出会えないこともある。妥協を強いられることも少なくない。

「良いものがあったよ」ー。買い物に行ってきたという奥さんに向かい、父にふさわしい日傘があったかについて尋ねると、奥さんは満足げな表情。鮮やかなブルーとホワイトのストライプ柄らしい。

梱包されてリボンまで付いているので中身が見られない。そのため、奥さんが続けて説明する。「ほら、スリーピースのスーツを着ていたでしょう。あの柄と同じ感じ」。その言葉で、いろいろピンと来るものがあった:

さては父、息子でお揃いにさせる企みか。

デビュー

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来週以降、父は検査で病院に行くらしい。コロナ禍のせいで通院する間隔が空いていたが、今後頻度が戻るようだ。その中には、日差しが強い日もきっとあるだろう。日傘を是非使い倒してもらいたいものだ。

父の「日傘男子」デビューである。

日本日傘男子協会のウェブサイトによると、紳士用の日傘は12年以降、認知度も売り上げも急速に高まっているらしい。そして、20年。傘業界は「傘でソーシャルディスタンス」を掲げ、大きなうねりしようとしている。

(トップ写真:紳士用の日傘に満足する父=フリー素材などでりす作成)

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