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「世界はそれを開き直りと呼ぶんだぜ」

ーオレとアチキの西方漫遊記(26)

「過ぎたるは猶及ばざるが如し」と言われるが、幾つになっても、これが実践できていない。月の名所として名高い高知県高知市の桂浜。この浜の近くにある民宿に一泊したときもそうだった。ボリューム満点の鰹のタタキをめぐり、とんだ事態に巻き込まれる。とはいえ、決して悪いことばかりではない。"過ぎたる"ことで得られる情報などもある。できないままでいることを敢えて前向きに捉えたい。誰が言ったか知らないが:「世界はそれを開き直りと呼ぶんだぜ」(サンボマスター風)

前回のお話:「冴えない表情のワケ」/これまでのお話:「INDEX

断固たる決意

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坂本龍馬が郷里で最も愛したとされる桂浜。そこまで徒歩10分程度の距離にある民宿に予約していた。予約した時期はわれわれ夫婦にしては意外に早く、この旅行に出かける前々日。というのも、この宿が提供している「かつお堪能!タタキてんこもり!」プランが気になったからだ。

今回の旅行はそもそも、大きな手術を経て退院した奥さんの"快気祝い"も兼ねている。新鮮で美味しい地の物を楽しみ、もっと元気になってもらいたい。そんな思いを込めるにふさわしいプランに見えた。そのため、旅行のルートを考える際にも、この宿だけは絶対譲るつもりがなかった。

愛媛県久万高原町にある面河渓(おもごけい)からクルマで2時間半。民宿に着く頃には、西の空が夕暮れで真っ赤に染まっていた。朝食を食べて以降、少し前にアイスクリームを食べた以外に何も口にしていない。奥さんと一緒に夕食への期待を膨らませながら、その時間を待ちわびていた。

甘い見積もり

まさごの夕食_collage007

割り当てられた食卓に着くと、それを合図に次々と目の前に並ぶ料理。前菜のほか、彩り野菜の蒸し煮、鯛の刺身、鰹のタタキ、鰈(カレイ)の煮付けなど。そして最後にテーブルに載せられたのが、大皿に所狭しと盛られた鰹のタタキ。5人前らしい。見た目も華やか、ボリュームも満点である。

ただ、二人ならば必ず食べきれると高を括っていた。(続く)

(写真〈上から順に〉:観客に呼びかけるサンボマスターのボーカル・山口隆=NAVERまとめの画像を基にりす作成、坂本龍馬がこよなく愛した桂浜=NAVERまとめ、民宿のボリューム満点料理。これを目当てに急いで予約した=りすと奥さんの画像を基にりす作成)

関連リンク(前回の話):

「オレとアチキの西方漫遊記」シリーズ:


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