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「幻のサメ」メガマウス

ー深海ロマン2020

「幻のサメ」と呼ばれるメガマウス。千葉県館山市の東京湾の沖合で、これまでほとんど見られなかった生きて泳いでいる姿が撮影され、話題になっている。2020年に入り、こうした事例が目立つ。リュウグウノツカイ(※)ラブカ(※)アカナマダ(※)など、滅多にお目にかかれない珍しい深海魚の映像を見る機会が相次いでいる。そして、今回はメガマウス。想像もつかない深海という世界に、ますますロマンを掻き立てられる。

関連リンク:「深海ロマン2020ーリュウグウノツカイ」「INDEXー深海ロマン2020(動画編)

大きな頭

報道によると、見つかったメガマウスはおよそ体長6m。定置網にかかっているところを地元の漁業関係者が見つけたという。その後、元気な状態だったので定置網から逃したそうだ。この深海ザメは水深200m付近の深海に生息しているとされる。次は映像ではなく生の姿を見たいものだ。

メガマウスというだけあって、ホオジロザメなど、すぐ思い浮かぶ一般的なサメに比べて頭が大きい。ただ映像で見る限り、口はメガというほど極度に大きいかというと、それほどでもない。半開きの状態だからだろうか。口を開けたところを見ると、度肝を抜かれる大きさかもしれない。

メガマウス_pinterest

体長は文句なしに大きい。一緒に映っているダイバーに比べて優に3倍はある。これほどのサイズになると、メガマウスがたとえ大人しいとの事前情報があっても、かなり威圧される。場数を踏んだダイバーだからこそ、パニックを起こさず、きれいに撮影できたのだろう。感心。

幻のサメと呼ばれる理由は、メガマウスがグローバルに見ても、数年に1度の割合でしか見つからないところに由来する。これまで見つかった事例は世界で140例ほど。このうち、日本が25例と全体の17.9%を占める。メガマウスは原始的な形態を残しているとされるが、詳しい生態は依然不明だ。

"深海トリップ"

しんかい2000

メガマウスを生で見るには「しんかい2000」のような有人の深海探査艇に乗ることが一番手っ取り早そうだ。一般でも気軽に"深海トリップ"を楽しめるー。そんな時代が早く来てほしい。ただ現時点、宇宙に比べ深海への開発は後手を踏んでいる印象がある。

どうにももどかしい。

(写真〈上から順に〉:「幻のサメ」と呼ばれるメガマウス=フリー素材などでりす作成、古い形態を保ったメガマウスは現代に繁栄しているサメの形態とは異なる点が多いという=ピンタレスト、深海探査艇「しんかい2000」=新江ノ島水族館)

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