ホワイトバイオ(バイオ工業)関連ニュース配信

日本ではまだまだ馴染みはないが、今後爆発的に伸びるであろうホワイトバイオ関連のニュース…

ホワイトバイオ(バイオ工業)関連ニュース配信

日本ではまだまだ馴染みはないが、今後爆発的に伸びるであろうホワイトバイオ関連のニュースを配信します。note, youtubeで深堀りを進めます。本関連の啓発により、日本の産業成長につながればと。#ホワイトバイオ, #バイオものづくり, #株式投資, #サーキュラーエコノミー

最近の記事

プラスチックを食べる微生物と分解酵素の世界②

動画解説はこちら↓ 前回、プラスチックを食べる微生物がいて、PETも食べる微生物がいるっていうことを紹介をした。 これで問題も一件落着かと思いきや、そうはうまくいかない。 なぜかというと、PETボトルは、PETの化学構造の中に、結晶部が3-40%ほどあって、分子同士が強固にくっついているため、なかなか分解できないのだ。 一方、プラスチックはガムと一緒で、熱をかけると、柔らかくなる性質があり、PETでは70℃ぐらいで柔らかくなる。 じゃあ、70℃で温めて、PETボトル

    • プラスチックを食べる微生物と分解酵素の世界①

      解説動画はこちら PETを食べる微生物が見つかったのは、大阪の堺のリサイクル施設。その微生物はその地にちなんで、イデオネラ・サカイエンシスと名付けられた。 2016年にScienceの記事となって、有名になった。 https://www.science.org/doi/10.1126/science.aad6359 しかもこの菌は、バイオプラであるPHBも作るとのこと。PETを食べて、別の生分解性プラスチックを作るとのことで、素晴らしいリサイクル方法だ。 こういった

      • なぜプラスチックのリサイクルがこれほど取り上げられるのか?

        動画解説はこちら 日本のペットボトルのリサイクル率は88%を超え、欧州(40%)・米国(18%)と比較してダントツに高い。 しかし、そもそもなぜリサイクルをそんなにしなきゃいけないのだろうか?プラスチックリサイクルにおける背景を整理してみた。 プラスチックのCO2排出のポテンシャルについては、以前の記事で紹介した。 プラスチックの使用量は年々増加しつつあり、CO2排出量の他、処理にも困っている。焼却処理は簡便だが、施設のキャパなども限界を迎えている。そこで、先進国はプ

        • プラスチックがCO2排出のダークホースである訳

          動画解説はこちら↓ 以前の記事で、気温上昇を1.5℃に抑えるためのcarbon budgetの話をして、実は許容されるCO2の排出量はあまり残っていないことを説明した。 CO2排出に関わる要因として、最も大きいのはエネルギー部門だが、産業部門もその次に位置する。 産業部門の中でも、実はプラスチックがCO2排出のダークホースであることを、この記事で紹介したい。プラスチックと言えば、海洋プラスチックなどの問題に目が行きがちで、CO2のことはあまり考えられていない? ような気

        プラスチックを食べる微生物と分解酵素の世界②

          気温上昇を1.5℃以下に抑えるCarbon budget(CO2排出許容枠)の話

          動画解説はこちら 近年のSDGs、カーボンニュートラルの流れを受け、CO2に対する関心が高まっている。カーボンニュートラル、すなわち温暖化ガス排出量ゼロにできれば問題解決となるが、移行までには当然時間を要する。では、それまでの間、どのくらいCO2を排出することが許容されるのだろうか?僕もそうですが、あまり定量的なことが、良く分かってない という方も多いかもしれない。 よく言われる、気温上昇抑制に向けた目標が、「産業革命以降+1.5℃」 。パリ協定でIPCC(政府間パネル)

          気温上昇を1.5℃以下に抑えるCarbon budget(CO2排出許容枠)の話

          PPP・PFI・コンセッション

          前回、下水を資源・エネルギーに変えて、ビジネス化することによって、水道管の老朽化などの山積みの問題を解決していく可能性について紹介しました。 一方で、それを実現しようと思うと、外部の民間企業などを入れていくという手があります。それが、良く言われるPPP/PFI コンセッション方式などです。まず、言葉だけでは全く意味が分からないものですが、知名度は高いのかなと。民営化を主導した小泉政権の竹中平蔵氏が主導する概念ですね。 PFI(Private Finance Initiat

          下水を資源・エネルギーに 自治体の先進事例

          前回は下水をエネルギーにという逆転の発想をご紹介してきたのですが、 すでに自治体は取り組んでいる。特にメタン発酵を促進するため、食品廃棄物と下水汚泥を混ぜる取り組みがなされている 黒部市は下水汚泥と生ごみと、食品のコーヒーかすを混ぜて、メタン発酵で資源化しているとのこと。 https://www.env.go.jp/council/03recycle/y031-04/mat06.pdf 一方で、こういうことをやろうとすると、下水処理施設(国土交通省)の他、一般廃棄物処

          下水を資源・エネルギーに 自治体の先進事例

          下水は宝の山?下水を資源・エネルギーに変える?

          下水道ってあたり前にあるけど、水道管も毎年使っていくと痛んでいくし、あんな汚い水をキレイにするには、エネルギー or 金 がかかるんだろうなー なんて容易に想像できるわけなんだけど、水道料金って、上下水道合わせて4,000円/月 → ペットボトル1本分 130円/日ほどなんだよねー。 安いっ。(最近、安いニッポンと騒がれていますが、これも安いですね。)けど、やっぱり収支合わず、限界は来ているようです。自治体が税金などを使ってなんとかしようとしていますが、税金投入も長期的には

          下水は宝の山?下水を資源・エネルギーに変える?

          J-credit制度でのCO2取引価格

          環境ビジネスの事業者と購入者が、環境価値を取引できる制度。 2050年のカーボンネットゼロ(CO2排出量ゼロ)という長期目標があり、最近では、地球温暖化シミュレーションがノーベル賞をとった、今のこの時代、ESG投資などが注目されていて、企業もCO2削減が必須。AppleやToyotaなどの下流がCO2ゼロとか言い出しているのだから、上流側もCO2削減に必須なわけ。 じゃあ、いくらぐらいで、取引されているんだろう?と調べたところ、取引価格は掲載無く、勝手に交渉しなさい との

          上下水道の縦割り行政

          前回、廃棄物・排水の量を確認できたが、それを資源として活用するのは難しい。なぜならば、管理省庁が異なるからだ。上下水道のインフラは国土交通省、水質管理は環境省、資源として産業化しようとすると経産省が出てくる。これがなかなか、水道事業する上でやっかいだよねー。 【国土交通省】   <水管理・国土保全局 水資源部>   ・水資源開発促進法   ・独立行政法人水資源機構法   ・水源地域対策特別措置法   ・雨水の利用の推進に関する法律  <水管理・国土保全局 下水道部>   ・

          数字で理解する廃棄物・排水の量

          どーも。廃棄物・排水っていっぱい出てるよねー。ぐらいの感度はあるのだけれども、実際どんだけ出てるのー? っていうのを数字で理解できたら、面白いのかな って思って、まとめております。 廃棄物を産業廃棄物、一般廃棄物で分けると、産業廃棄物で4億トン/年ほど、一般廃棄物はその1/10で4000万トン/年、この量は、1人1日あたり、1kg出していると考えれば分かりやすいですね。 https://www.yy-sanpai.com/cat-5/1283.html また、し尿の量は

          微生物燃料電池(Microbial Fuel Cell)

          微生物から電気を得る? あまりイメージのないこの分野ですが、例えば、排水で電気を起こしたり、体液 例えば手の指につけて電気を起こしたりできたりします。 引用:国立環境学研究所HP ただ、これの弱点が、発電量が低いということですね。微生物から電気をうまく取り出すことが難しいようです。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsem/21/1/21_57/_article/-char/ja/ 昔、国プロで、微生物燃料電池を排水処理に

          Biopilots UK

          前回(Bioprocess Pilot Facility)、前々回(BioBase Europe Pilot Plant)に引き続き、今回は英国のBiopilots UKのご紹介。 英国は元の民族の関係で4つの地域に分かれており、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドで構成されています。 そのせいもあって、地方行政も分かれており、Biopilots UKも、ウェールズ地方、イングランド地方、スコットランド地方に分かれて存在しています。 (添付は2016

          Bioprocess Pilot Facility(BPF)

          共用パイロット設備の紹介シリーズ 第2弾。BPFのご紹介。 共用パイロットの意義 第一弾(BioBase Europe Pilot Plant)の紹介 さて、今回のBPF 元々はオランダの大手化学メーカーDSMの施設を活用して、立ち上げ。アムステルダムから車で1時間ほどのハーグというところに所在。 オランダのデルフト工科大学、DSM、Corbionの半官半民出資。Corbionはオランダの食品・バイオテク企業。発酵設備は下記で1000Lスケールも2つ有り。 4×10

          BioBase Europe Pilot Plant(BBEPP)

          以前書いた共用パイロット設備について、欧州の事例より紹介できればと。 欧州1つ目はBioBase Europe Pilot Plant。 場所はベルギーにある。ベルギーの位置は下記マップ参照。国旗がドイツと似ているよね。漢字1文字で書くと「白」らしい。。。「白耳義」ぜってぇ読めねー笑 ベルギー(地図) ベルギー国旗 2008年、EUやフランダース地方、隣国オランダからの支援で立ち上がり、公共資本の施設である。 フランダースとは、あのフランダースの犬のフランダースだ

          EU バイオものづくり関連PJの紹介「Uplift」

          PET(ポリエチレンテレフタレート)ボトルは石油由来であるが、それに代わる、バイオ原料から作ったPEF(ポリエチレンテレフラノエート)が注目を浴びている。PEFは糖(フルクトース)から2-5-フランジカルボン酸(FDCA)を作り、エチレングリコールと重合させて製造するもので、PETと化学構造が良く似てる。 出典:https://bioplasticsnews.com/polyethylene-furanoate-pef/ PETの構造 出典:wikipedia 一方で

          EU バイオものづくり関連PJの紹介「Uplift」