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都会の中のオアシス 南雪谷

茅葺きや古民家など日本の伝統文化の維持に携わり、古民家をリノベーションしてを民泊を運営されている鈴木知子さんにお話しを伺いました。 

 【プロフィール】出身地:福岡県久留米市活動地域:東京近郊経歴:滋賀の彦根東高校卒業し、清泉女子大学入学のために上京する。大学卒業後は海外で秘書を経て、横浜で独立起業。その後、美術商・不動産・民泊運営など多岐に渡る職業及び活動:Airbnb(民泊)世界各国のトラベラーも参加することもあるKitchHikeのオーナー。美術品販売、不動産など座右の銘:「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

◆日本の文化に触れながら楽しめる場所を提供したい

記者:鈴木さん(以下、敬称略)はどのような夢やビジョンをお持ちですか?

鈴木今、東京都大田区南雪谷で民泊をしています。今度は、海のすぐ近くや富士山が見える場所で、家族とペットが長期間一緒に楽しんでもらえるような民泊をやることが夢です。

新しく建てるという考えもありますが、私は古いもの、特に畳が好きです。
ここ南雪谷の家も最初は、床は抜け落ち障子もボロボロに破けた荒屋だったのですが、畳を総入れ替えしたり雪見障子に変えるなどリノベーションして住めるようにしました。

実は、この雪見障子は古くて、もう解体が決まっているお家から持ってきました。雪見障子は、30年40年以前に建てた家なら残っていますが、今は家の規格が変わり無くなっています。
そのため、若い人は雪見障子を知らない人もいます。
昔の良いものが取り壊されるのは寂しいなと思います。

記者:このように古き良き日本の文化が取り壊されなくなっていくのは本当に残念ですね。

鈴木:以前は、マンションにも住んでいましたが畳も無いし、ただの普通の四角い部屋だけ。でも、古い家には畳や障子があり、夜が明けたら徐々に明るくなっていく。その自然の灯りってすごく優しくて良いと思うのです。


◆自然を感じながら生きる

記者:古民家に興味を持ったきっかけは何ですか?

鈴木:最初のきっかけは、イギリスのマーク・ボイル著書『ぼくはお金を使わずに生きることにした』という本です。

「お金を使わないで生きていく」

という言葉にビックリしたのです。今の社会とは逆行して昔のように自給自足に戻るということなんでしょうけど、便利な生活に慣れてしまっているからそこまで戻るのは難しい。

しかし、自然の中で、自然を感じながら生きることも良いかなと思いました。

そこから、少しずつ千葉の方に行ったりし始めました。
数年前に、千葉県の古民家の民宿に泊まったことがあり、そこは茅葺の屋根で周りは田畑が広がり、ナス・トマト・キュウリなど様々な野菜が栽培してありました。また、鶏もいて朝ご飯には産みたての鶏卵や農園で採れた野菜達が出てきて、すごくすごく美味しかった。秋には稲刈りをしたり、大豆を収穫してその大豆でお味噌を作る。初めてだったけどすごく面白かったです。
体験してみて、やっぱり、こういうのが良いなぁと気付きました。

◆日本のおもてなしを世界の人々へ

記者:これからどの様に取り組んで行く予定ですか?

鈴木:南雪谷には、世界各国の人たちがきます。
その方達が、「東京を見たら次は海も見たい。観光が終わったら、日本の自然の綺麗な所にいきたい。」とよく言っています。

なので、今後は東京・海・山(富士山が見える所)の3箇所で民泊をやろうと思っています。しかし、一人では出来ません。みんなで3箇所をローテーションしながら交代でやれたら良いなと思っています。

また、地域の人達と連携し、古民家でもちつき大会など体験型イベントを実施したりして地域を活性化していきたいです。


◆自分のことは自分が一番知っている

記者:今まで活動してきて大変だったことはなんですか?

鈴木:自分では、「将来こういう風になろう」と思って順番立てしながら考えてやっているけど、他人からは、「えっ、何やってるの?無理でしょ。」と反対されたり理解して貰えないことが殆どでした。
でも、自分のことは自分が一番知っているから、言われてもしょうがない。いつかは分かってくれると思って、地道に一生懸命努力するしかないと思っています。

記者:自宅で民泊をすることに家族から反対されませんでしたか?

鈴木:子供が3人いますが、もうみんな独立しています。最初、息子と住んでいるときは、外国人がくるのが嫌で、「Airbnbやるなら一緒に住まない」と言って、この近くに自分で住むようになりました。でも、いろんな人が来て楽しそうにしているのを見て、「今日はどこの国の人が来てるの?今日は来ないの?」とか自分ではやりたくないけど段々と楽しくなって来たみたいです。
他の民泊の家族もそういうところが多い様です。

家族は、みんなそれぞれの家族があって忙しいから、家族に相談するより自分の中で処理して、あとは自分1人ではやれないことは友達に頼んでやってもらっています。
私は、think tankをいくつも持っておくことが必要だと思います。
相談すると良いアイデアを出してくれて前進することが結構あるのです。

記者:そういう信頼できる人たちが周りに集まってくるってすごいですね。

鈴木:1人で一生懸命頑張っていると「面白い」と思って協力してれます。


◆最後の答えに辿り着く方法は1つではない

記者:大変なことを乗り越える力になったのは何ですか?

鈴木:高校の時の数学教師が、
「数学は何で解くのかわかってるか?最後の答えに辿り着く方法は1つではない。色んな方法で最後の正解に結びつく。人生も同じ。
学校卒業して、社会に出たとしても1つだけじゃない。色んな方法があり、自分なりに自分ができる方法で解決できるようになる能力を養うために数学があるんだ。」
とおっしゃっていました。目から鱗でした。

その言葉がずっと頭に残っていて、実生活の中である1つの方法ができなくても他の方法がある。回り道していく方法もある。という風に切り替えることができ、困難も前向きに乗り越えられています。

記者:素晴らしい先生ですね。今学んでいることが、自分の人生と繋がると勉強への取り組み方が全く変わりますね。


◆自分で考え自分で創造する力が必要

記者:AI時代に多くの仕事が奪われると言われていますが、どう思いますか?対策などされていますか?

鈴木:AIを動かすためには、人間が多くの知識を教え込んでいます。
AI自体がある程度考えることもできるけど、あくまで情報があって、そこから選択している。やっぱり要は人間です。機械にできることは機械に任せる。人間ができることは人間がやれば良いと思います。

人間には、ピカッと光る発想とか先に例がないことを考えられる直感力があります。昔は、直感力が優れていたと思うのです。
しかし、今は、日本の直感力・第六感・精神文化が無くなろうとしています。戦後、親の言う通り、学校の言う通り、社会の言う通りにしなさいと言うアメリカの教育を受けてきて、どんどん自分で創造しないようになりました。

親は子供のためを思い、自分の人生をオーバーラップしながら言ってしまうけど、親も子供も全く違う人生です。
だから、私は、幼少期から言われたからやるのではなく、こうやったら面白いかなと、結構自分が思ったことをやってきました。

自分で考えて、自分で行動することが一番大事なことだと思います。

記者:確かに、生まれた瞬間から家族・学校・社会の影響を受けながら成長していきますよね。人それぞれ全く違う人生、自分で自分の人生切り拓いていけるといいですね。


◆失敗したとしても、それは成功でもある

記者:最後に読者の方へのメッセージをお願いします。 

鈴木:何かやっていると、周りからいろいろ言われて、打ち拉がれてめげたり何もできなくなることもあるけど、
「私自身のことは私が一番知っている」
「貴方は、私より私のことは知らないでしょ!」と意思を強く持つことです。

周りからの誹謗中傷の言葉にめげずにやってみること。もし、自分でやってみてダメだったらダメだったとしても良い
失敗したとしても後悔はしないと思う。やってみないとわからないし、失敗だとしてもそれは成功だと思うのです。

記者:まずはやってみる!やってみないとわからないですよね。この1つ1つのアクションが、魅力となりのいろんな輪が広がっていっているんだなと思いました。これからも世界各国の人に日本の良さを一緒に伝えていきたいですね。鈴木さん、今日は本当にありがとうございました。

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編集後記

今回インタビューの記者を担当した西口です。
お話をされている時、本当にワクワクされ表情が輝いてたのがとても印象的でした。

食事会やヨガ、南房総ツアーなど、交流の場も企画されおり、今後、更なる活躍を期待しています。

この記事は、リライズ・ニュースマガジン“美しい時代を創る人達”にも掲載されています。

https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36

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