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Lookerの導入検討で感じたこと

私は現在従事している会社で、Lookerの導入検討を行っておりました。

様々な理由が重なり導入には至らなかったのですが、これからLookerの導入を目指す方の参考にしていただければ幸いです。

※これから記載する内容はあくまで個人の見解となります。

Lookerの魅力や発見した経緯については以下の記事をご覧ください。


目次

・現状の課題
・Looker検討の経緯
・Looker選定の前提条件
・Lookerの魅力
・Lookerが広まる世界


現状の課題

多くの企業ではTableauなどのセルフサービス型BIを利用しているかと思います。データに詳しくないユーザがカジュアルに使うのであればTableauが一番使いやすいと思います。しかし、全社で利用する場合はどしてもワークブックの乱立定義がばらばらでメンテナンスができない点が気になります。

私はTableauを使うのであれば、メンテ要員を大量に確保できる大企業か、事業ごとに管理して単年のデータを扱うのがベストだと思っています。

全社利用を目的とする際には問題となるため、
この問題から解放されるために新たなBIツールを検討しておりました。

詳しく知りたい方は以下をご覧ください。

Looker検討の経緯

最初はデータアナリストのチームで定義管理と画面開発まで対応しようとして、見栄えのよいダッシュボードツールDOMOを検討しておりました。

DOMOのUIは面白くて、カードと呼ばれるグラフ群を自由に並べ変えて目線の順番でKPIを配置することで好不調の判断が容易にできる製品です。
DOMO上に存在するグラフを自由自在にまとめることができます。

もしTableauでひとつダッシュボードにグラフをまとめるときは一つのワークブックの中に全グラフ群を埋め込む必要があり、別のワークブックにあるグラフは再度データから繋ぎなおして再作成が必要なのでやはり全社で使うのには向いていないです。

DOMOはKPIモニタリングをするには最適な製品だと思います。

しかし導入を諦めました。DOMOを導入検討する際は以下の点に気を付ける必要があると思います。

1.属人的になる
導入検討時期にデータアナリストが数名異動することになり、一時的に人員不足になりました。DOMOは画面開発も含めてデータアナリストが対応したほうがよい製品なので、常に一定数のデータアナリストがいないと対応できないと思います。またデータソースは一元管理できますが、ソースごとにSQLの直書きをする必要があり、そこがブラックボックスになるという従来のBIツールと同じ問題が残る点も気になりました。

2.データの読み込みが遅い?
DOMOはデータを一度DOMOで管理するAWSに格納する必要があります。DOMOの強みとしてSNS系のデータを繋ぐだけでテンプレートのダッシュボードを使える機能があります。しかし、RESTAPIでデータを繋ぐ際にデータの読み込みが遅く感じてしまいました。3rdPartyデータなのでチューニングもできないため、ストレスになりました。

3.価格とのミスマッチ
DOMOはチャット機能やグラフ、コネクションの豊富さなどから高機能な製品です。そのためどうしても価格も他の製品より高いと感じてしまいます。

少ないデータアナリストとエンジニアで効率よく開発できるBIツールを探しておりLookerを検討することになりました。

Looker選定の前提条件

LookerはTableauのように誰でも導入できるBIツールだとは思っておりません。SQLを書くことから逃げないチームがいること(当たり前)が前提条件です。

TableauはBIツールの知名度を上げたということは物凄い功績です。

しかし、カジュアルに作ったはいいけどメンテできないという企業が物凄く多いと感じています。

Tableauのビジュアライゼーションは優れているので、使用することは間違えではないと思いますが、企業全体で利用する際には定義の管理などが必要です。

SQLライクに全体最適していこうという製品がLookerです。

SQLを使えないというチームはSQLを覚えるか、エンジニアのチームにLookerを紹介しましょう。

Lookerの魅力

Lookerを導入検討してみようと思った魅力的な機能を紹介します。

LookMLが効率的すぎる
LookerはYAMLベースの独自言語を持っており、軸や集計、条件値の設定までスクリプトベースで行います。このことにより定義の全体管理・最適化ができるということが最大の魅力だと思います。

下記の画像のように定義をまとめておくことで、一か所変更するだけで全体に仕様変更を適用できますし、属人的な定義や計算が生まれにくくなります。


git連携もできる
 LookMLの定義変更を行うたびにGITへ定義を連携することができます。

他のツールだと都度手動でgitへ連携する必要があるので、エンジニア集団じゃないとさぼってしまい、git管理が機能していない企業が多いと思います。

データ探索機能Exploreが便利すぎる

Exploreというデータ探索機能がとても便利です。
下記の画像のように左パネルのフィルタから条件をかけてグラフや集計表からデータ探索ができます。

例えば、営業やマーケ部門にExplore画面を開放してデータの抽出業務の負荷を軽減できます。Explore上にデータがない場合や条件の設定ができない場合は現在の選択状態におけるSQLを見ることができるます。

※参考例
	
SELECT cd, name, age FROM tbl_age
WHERE age BETWEEN 20 and 29 
   or age BETWEEN 40 and 59
   or age BETWEEN 80 and 89

営業が年代から20代と40代と80代をクリックして選択すると上記コードのようなSQLが勝手に発行されますので、そのスクリプトをエンジニアに見せることで、一から営業に確認することなくデータ抽出ができます。

Lookerが広まる世界

スタートアップのようにエンジニアが活躍する企業が増えると必ずLookerがBIツールの中心に来ると思います。エンジニアやアナリストがワクワクしてデータの可視化ができる世界を楽しみしています。


Lookerのサンプル画面がありますのでご確認ください。

製品概要など詳しくはLooker社にお問い合わせしてみてください。
感想やご相談などあればDMください!

それでは。

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