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どこが変わったかなんて気がつかないけれど、刻々と私は変わっている

スーパーに行って、野菜とか牛乳とか重めのエコバッグをエッホエッホと一人で頑張って家に連れて帰り、どさっと床に置くと、むっちゃ腕に痕がつく。そして、その痕がなかなか消えない。……どうして?

少し前の私であれば、これぐらいの痕、すぐに消えていた。おばあちゃんに話してみると、「痕が消えないのは、年をとったからだよ」と言われた。おばあちゃんのほうが圧倒的に年をとっているのに、可愛い孫になんてことを言うんだ。

痕が消えないぐらいで、年だなんて。

……

…………ところが、全然痕が消えない。...…...…まったくもって認めたくないし、不本意だけど20歳のときの私と26歳の今の私は全然違う。なぜなら6年も年をとっているから。そりゃあ、20歳のときと同じようにはいかない。

いかないのに、そうとわかっているのに、なぜか20歳のときから私は変わっていないように思ってしまう。


少し前に整体へ行ったら、先生から「目は、記憶力が悪いですからね!」と言われた。だから先生は、施術をする前の私の姿をiPadで撮影して、施術した後の姿も撮影して、2枚を並べてくれた。

全然違った。肩の位置も、姿勢も、顔の大きさも施術前の写真と比べると全然違ってた。

だけど、施術後に鏡の前にポンと立った私はさっきとなんにも変わった気がしないのだ。肩だってその位置にあったように思うし、姿勢も「はて? 変わりましたか?」という感じだし、顔の大きさに至っては何の変化も見られない。でも、写真で見ると、今の私は数時間前の私と全然違う。

目は、五感の王様と言われるぐらい、感覚の中では威張っていて、目からの情報は感覚の8割ほどだと言っても過言じゃないらしい。でもそれは、目の前にだけある情報に強いというだけで、過去の情報にはとんと疎い。

だから整体や美容サロンでは、多くの場合施術前と施術後、ビフォーアフターの写真を撮るんだという。


毎日自分の顔を見すぎて、どこが変わったかなんて26歳の私は気がつかないけれど、刻々と私は変わっている。20歳のときの顔じゃないし、20歳のときの身体でもない。

”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。