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スカートが苦手だったけど、今はそんなことなくて

中学生から高校生になるあたりで、スカートが苦手な時期があった。中学校はセーラー服で、高校はブレザーだったから、制服ではスカートを履いていた。履いていたのだけど、それはオンのときだけだった。オフのプライベートでは、まったく履けなかった。

今思えば、どうしてスカートが嫌いだったんだろうと考える。制服では履いていたのに、どうしてプライべ―トでは履かなかったのか。

それはきっと「スカート=女の子の象徴」のイメージが強すぎて、これは私が履いていいものじゃないと思っていたからだ。当時の私は、今でいう自称サバサバ系を装っていて、女の子というものが邪魔になっていた。当時、私の周りの女の子たちは、けっこう、ちゃんと女の子だった。恋愛と、友達の誰それの関係性の話が大好きで、ヘイセイジャンプとアラシとエグザイルで盛り上がっていた。どうして人の話が、誰それの恋愛事情がそんなに楽しいのかわからなくて、ヘイセイジャンプもアラシもエグザイルも、どれも違いなんてよくわからなかった。ヒョロヒョロかゴツイのか、の違いだと思っていた。それでも、周りの女の子たちと同じように、私も笑った。大して良いとも思ってない、わからない曲をMステで聞いていた。

そのときの私は男の子になりたかったわけじゃないけど、もっと、さっぱりとした人でいたかったんだと思う。人の話なんて興味ないんだよねと言ってしまいたかったし、その曲それほど好きじゃないんだよねと言ってしまいたかった。

オンがそんな感じだったから、オフでは「スカートなんて履いてたまるもんか!」と思っていた。デニムばかりを履いて、スニーカーばかりを履いていた。スカートを履かないことで、女の子の象徴から逃げ出した気でいたんだと思う。平日5日が窮屈で、土日の休日2日が私にとっての真実だった。


……と、スカートばかり干された26歳の私の洗濯物を見て懐かしく思う。苦手だったものが今では可愛く思えて、女の子の象徴とも思ってない。もしかして、それが成長ってことなのだろうか。

”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。