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私の7年間は、そのスケジュール帳に詰まっている

ときどき、昔のスケジュール帳を見返す。私が4年前まで使っていたスケジュール帳はマンスリーとウィークリーがあるタイプで、ウィークリーのほうには日記を書いていた。それを見返している。スケジュール帳はずっと同じ会社のものを使っていた。高校1年生のときに地元の雑貨屋さんで出会ってから一目惚れして、高校3年間、大学4年間、その会社のスケジュール帳を使っていた。「どこに一目惚れをしたのか?」と聞かれると、そのスケジュール帳の至るところに書いてある、ちょっとした言葉たちが好きだった。ポエムといってしまえばそれまでなのだけど、ポエムとはちょっと違くて、私にとっては応援であり、お守りであり、いろんなことの指針でもあった。スケジュール帳のなかに使われている写真もすてきで、そこも好きだった。開くたびにワクワクして、月が変わるたびにドキドキした。私の7年間の予定は、そのスケジュール帳に詰まっている。

見返すと、けっこう辛辣なことが書いてあるページがある。というか、7年間毎年同じような時期に、理由はさまざまだけれど私は落ち込んでいる。友達関係で悩み、将来のことで悩み、恋人のことで悩んでいた。毎年、同じ時期に悩んでいる私がそこにはいる。けれど、日記を読み進めていくと、じわじわと目の前が晴れていっているようだ。友達を呼び出して、話し合って、謝って、仲直りをしたり。第一志望を決めて、勉強に向かっていったり。別れを告げて、過去にすると決めたり。たてられた波や波紋が、少しずつ少しずつ平らかな水面に戻っていくように私は静かに落ち着いていく。日記を読んでいると、その様子がよくわかる。えらいな、私。読みながらつぶやく。

ウィークリーのページには、自由に書けるフリーページもあって、そこにもけっこういろんなことがメモしてある。「私は、今、何をしたいのか」。その文字だけがフリーページにあって、今の私ですら「うっ」と思ってしまいそうな問いを、過去の私からボディブローみたいにして意図せずくらうことがある。

”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。