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社内SEのリアル(某電算室勤務時代)


電算室とは

昭和の呼び方かも?

デカいシステムは外注を使うので、内部の意見をまとめて外注と打合せやら交渉をするだとか、(社内の夢がいっぱい詰まった)奇跡のシステムを社員からヒアリングして自前でつくるだとか、社内のパソコントラブルレスキューだとか、いわゆる身内向けの総合パソコンカスタマーサポートセンターのようなイメージです。

開発環境が絶望的

IT企業であれば当たり前に用意されている、いわゆるシステム構築向けのPCスペックだったり、よく使うソフトであったり、そういった諸々がない可能性有(私の勤めた会社の場合は当時ネット環境すらなくてさすがにそれは上奏しました…)←開発以前の問題ですと。

予算がつかない

IT企業ではないので、IT部門に明るい人がいません。
自分がパソコン詳しいからそういう会社なら楽そうだ…ヌルゲーだろ?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなに甘くもないです。
パソコン買ってほしい?その辺の数万の中古で十分だよね?そんな感覚の方が経営陣だったら軽く死ねます。

そのために雇ってるんですよ?感MAX

良くも悪くもIT技術の価値を理解してもらえません。
神システムを要求されることもしばしば(むしろ日常)
「いやそれはさすがにチョット…」となると
「えっ?じゃあ君なんのためにうちにいるの?そのために雇ったんだよ?
になります。

前任者あるいは既存の内部SEがほぼ素人

これも良くも悪くもですが、そもそもIT企業でPG,SEとしての経験を積んでいない、ちょっとパソコン詳しいかも?な人が担当者として(先住人として)存在します。
つまり自作(内作)プログラムが仕様書一つないなんてこともザラ。
その時その時の思い付きでつくったつぎはぎだらけのプログラムで、そのソースを理解するだけで日が暮れるような話も多々あります。
しかし立場上上司にあたるわけですから、何も言えない。
言えない→改良しようもない。
「イチから作り直しですね!」なんて言える立場にないですからね…

割り切れば楽なときも

ネガティブな話ばかりなので、一つ良い所?も。
上記のすべてを「知らんがな」と割り切ってしまえば楽っちゃ楽ともいえます。
詳しい人がいない→適当でもわりとどうにかはなる(バレない)
そんな融通のきく所は少なからずあるので、サイレント修正はしやすい環境です。

社内SEといっても業界の企業体質に注意

自分はSEなんで(そんなの関係ないです)は通らない

SEだろうがなんだろうが、その会社で働く以上その会社の社風があり、それは全社員、サービスマンだろうがSEだろうが一刀両断な所があります(もしかするとSEだけ特別扱いしてくれる会社もあるのかもしれませんが私は見たことないです…)

社歌だの社訓だの暗記させられ朝礼で発表会

体育会系の企業だと普通にありえると思います。
まあ私も家の風呂場で呪文のように唱えながら暗記しました…(疲)
SEに向いてないですよね?デカい声張り上げるとか、、
どちらかというと小さい声でボソボソ言う世界だと思うので。
でも関係ないです。そういう企業の社内SEだったら社風は社風。デカい声張り上げないと…

企業体質が性に合うなら居心地はいいかも

私はこの会社に入社する前、アルバイトでサービス業を経験していたので、そっち系のノリ自体はそこまで苦痛ではなかったのが不幸中の幸いでした。

業種によっては人柄が明るい方、社交的な方もおおいので、IT業界みたいに、ちょっとクシャミするだけで「うるせえな…」と睨まれるような世界でもなかったので、そういう意味では居心地よく楽しい部分もありました。

俺様SE様には向かない(と思う)

技術こそが正義では勤まらない

社内SEというのは他の部署の社員さんとのコミュニケーションが非常に大切なので「俺様が一番スゴイ!偉いんだ!」タイプの人はすぐにみんなから嫌われて総スカンくらって居場所なくなります。

無理難題を言われても笑顔で受け流せるコミュ力必須

知らないというのは恐ろしいことです。
SE=なんでもつくれる人 と思われることも稀に多々あります。
〇〇出来る~?〇〇さんなら楽勝なんでしょ?3日くらいでなんとかならない?
な~~~~んて話はザラにあります。
ここでイチイチイラっときて
「オマエ…ふざけんなよ…出来るわけねぇだろ??SEなめとんのか!?」
な~~~~んて言ったらオシマイです。
「えええっ!?マジっすかぁ??さすがにそれは無理ですよぉ!代わりにこんな感じでどうですか?こんな感じなら時間いただければつくれますし頑張らせてもらいますよ♪(笑顔で)」
大切なのは相手のプライドを傷つけないように代替案を出す(内容はぶっちゃけわりとどうでもいい、どのみちその場の思いつきみたいな依頼なので)
何より他の社員さんと仲良くなる努力をする
これに尽きると思います。

技術力よりコミュ力が重要

くどいようですが、どの道規模の大きいシステム等はベンダー行きなのでスキルはそこまで重要ではないことの方が多いと思います。
社内と社外をつなぐ橋渡し役的な存在としての役目もあるので、打合せや提案等、内部の意見をとりまとめ、外部との打ち合わせや価格・納期交渉etc、そんな対話出来る「交渉力」が求められると思います。

肝心の給料について

会社にもよると思いますが

非常にバラつきがあると思います。
誰しも「よく分からないモノ」に値段ってつけにくいものですよね?
ですので時給1000円レベルのトンデモ求人もあれば、えっ?VBA触るくらいでそんなに貰えるの??みたいな求人までワリと運ゲーというか、その会社次第な所があると思います。

私の場合は

電算というのは総務部的存在(というか位置づけ)だったため、全社全部門の給料のちょうど中間位という待遇でした。
儲かっている部署、儲かっていない部署、それぞれの合算÷2みたいな感じですね。
社内の公務員的ポジション?みたいな感じで。
個人的には一番モメないのでアリだと思ってましたが、全然ワリに合わないという人もいましたので、感じ方は人それぞれだと思います。

個人的には二度目アリな仕事

敵が少ない立場

会社で勤めると、全員が仲良しというのはまずないと思います。
どんな生き方をしようとも、合う人、合わない人出てくると思いますが、社内SEは全員の味方?的ポジションなので、あまりケンカにならないというか会社員としては珍しい状況というか、私は敵がいなかったので、精神的にはすごい働きやすい職場だと感じました。

わりと別室扱いされる(してもらえるともいう)

社内SEは特殊な業務で他の方とまったく仕事内容が異なるため、お互いに干渉がなく、気楽に話せる相手的に、よくある現場の仕事の進め方のイザコザであったり管理職の無茶ぶりトラブルとかそういうのは無縁でしたのでそういう部分では楽だったように思います。

さいごに

評価を期待しない

評価出来たら元々社内SEなんて雇ってません。
IT企業の常識は捨てた方が精神衛生上良いと思います。
「オレめっちゃ頑張って…このシステム外注振ってたら100万じゃすまねえよ…それをたった1ヶ月でつくったんだぜ…?」
会社としての評価は「フーン…」
程度と思った方が良いと思います。
それで「割に合わない!」と思う方は向いてない職業だと思います。
みんな喜んでくれるしやりがいあるぜぇぇ!系の人には向いていると思います。評価もアレですが、IT企業ほどキツくもないので、その辺をどう捉えるか次第だと思います。

不夜城になるかどうかは賭け

IT企業で不夜城(寝れない)はまったくもって珍しくないと思いますが(いいのかそんなことを暴露しちまって)その辺はあくまでも社内SEですので、時に神を要求されることもあれば、なんというヌルゲー!な時もあるので、そこは運ゲーとしかいえないような気がします。

ワリと勉強にはなる

立場上、パソコンのプロとして扱われるわけですから、なんでも聞かれますし言われますので、以外な盲点だったり、その発想はなかったわ的な学びもあります。SEとしてはただ動くだけでなく、かゆいところに手が届く良いシステムを組んでこそなので、そういう意味では勉強になる所もあります。

最初は警戒されるかも?

ITに縁のない人達からすれば、SEというのは異業種の人です。
フーン…実際の所ナンボのもんや?的な目で見られることもあるでしょう。
ようは「力を見せろ」ってことですね。
7割くらいの社員さんは多分パソコンを触るその手つき一つで(うすうす察して)去っていくと思いますが、ちょっとパソコンに自信のある2割位の社員さんと、経営陣や幹部、計3割くらいはブラインドタッチくらいでは引いてくれないでしょう(まぁ…そのくらいは出来て当たり前だよな?程度)
純粋に「結果」で納得させるしかない相手にいかに納得してもらえるか、最初の1年は自分自身を売り込む非常に大切な時期だと思います。

もし、万が一、サポートいただけるようなことがあった場合には、NOTEの記事の方でしっかりと記事と合わせてサポート額の使い道を報告させていただきます。 (先日落雷でパソコンが破壊されたので多分当分はその買い替え費用の足しにさせていただくことに…すみませんすみません)