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春夏秋冬ときどき俳句

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四季折々に撮った写真を題材に、俳句を詠んでいます。
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記事一覧

「星冴ゆる」

ほしがりしモノの正体星冴ゆる  noteを始めて一年が過ぎた。 いままで書いたものを読み返し…

椿
4か月前
11

俳句を詠んでみた(注連綯う) 

眼裏に注連綯う父の若かりし  (まなうらに|しめなうちちの|わかかりし) 幼い頃、暮れに…

椿
4か月前
7

禅語を俳句に(年の瀬) 

年の瀬や時々に勤めて払拭せよ  (としのせや|じじにつとめて|ふっしきせよ)   「時々に…

椿
4か月前
14

俳句を詠んでみた(聖夜)

ゆびきりは叶わず聖夜のともしび    「むかえきてね」「やくそくね」 と、ゆびきりしたの…

椿
4か月前
8

俳句を詠んでみた(冬至)

穏やかに冬至の月はにじみたり  老いの手に冬至南瓜の硬かりし  中七が湯気に散ずる柚子の…

椿
5か月前
8

俳句を詠んでみた(着ぶくれ)

着ぶくれし吾子の手温し柔らかし  (きぶくれし|あこのてぬくし|やわらかし) 寒さ厳しい…

椿
5か月前
9

別れきて日のいろ残す枯尾花  【季語 枯尾花】  今夜から雪になるらしいので、ことし最後のお墓参り。 これから春のお彼岸まで霊園は雪に埋もれる。 持参したお湯で墓石を拭い、暫しのお別れの挨拶。 帰り道、日の傾いた野にススキの穂が真白く揺れていた。 天と地が溶けあう朧げな時間。

枯れ菊の刈りとられしを貰ひ受く 
【季語 枯れ菊】 
菊を刈りとって花壇に鋤込み肥料にするというのを、分けていただいた。
よい香りが漂って一日の疲れを癒してくれている。
今夜はよい眠りが訪れそうな、そんな期待感。

椿
6か月前
7

朝日さす水の匂ひの今年米  
【季語 今年米】 
昨年産のお米を食べ切って
新米をいただく嬉しい朝 
きよらかな水の味がしました 
前夜のお菜の下拵えもわくわくする時間の一部 
新米に敬意をはらって杉の割り箸でいただきました 

椿
6か月前
9

立冬やものみな長き影を曳き

椿
6か月前
12

俳句を詠んでみた(種採)

名を記し種採り仕事終えにけり  (なをしるし|たねとりしごと|おえにけり) 庭仕事もそろ…

椿
6か月前
9

俳句を詠んでみた(十三夜)

十三夜月に見立てし灯しかな  (じゅうさんや|つきにみたてし|ともしかな)   傍らをひ…

椿
6か月前
10

俳句を詠んでみた(小春日)

小春日や魯山人展ひと巡り  (まだ立冬を過ぎてはいないが雪の便りもあったので小春日をつか…

椿
7か月前
12

俳句を詠んでみた(秋の蝶) 

日溜まりにいのちのほむら秋の蝶   日溜まりのセイタカアワダチソウに蝶がいて  近づくとなんと白黒の縞模様の蜂もいる  この蜂は肉食性?  蝶は僅かに触角を動かすが  翅に飛び立つ気配がない  その力が残されていないのだろうか  とても気になる構図だが  仮にそうであったとしても  みな生きとし生けるもの  手出しは出来ず そっとその場を離れた  賜りし日差しにわれと秋蝶と  束の間の陽だまりの温もりのなかで   脚に老いを覚える自分と 翅を休めるちいさな蝶を なに