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2024年フォト俳句

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2024年俳句まとめ
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記事一覧

「聖五月」 

鳥歌い緑滴る聖五月  北国は、いちどきに花の季節となる。 華やかに咲き誇る花々をよそに、…

椿
3日前
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「立夏」 

ヘアドネージュせむと立夏に髪洗ふ  三年間伸ばした髪、ようやくヘアドネーションできそうで…

椿
2週間前
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「春霞」

昼と夜のあわいをつなぐ春霞  あまりにも夕空が美しいから  心の内がただそれだけで充たさ…

椿
2週間前
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「春の夢」

春夢幻少女は踊るアンドゥトワ  赤い靴のピンブローチ  もう似合わないのに手放せない  …

椿
3週間前
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「花冷え」

二三輪ほころびてのち花の冷え  ようやっと櫻が開花した。 身の縮む冷たい風に吹かれ、健気…

椿
4週間前
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「白百合」

白百合のなかば開きてまどろみぬ  娘の幼馴染みのT君が、旅立たれた。 40代なかば、病が突…

椿
1か月前
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「クリスマスローズ」

クリスマスローズひざまづき撮る含羞  クリスマスローズは、その美しい容貌を隠すかのように慎ましく俯いている。 カメラに収めようと土に膝をつき、それでも足りず肘までついてやっと撮れた、去年の一枚。 いまは庭の雪の下、静かに蕾を育んでいるクリスマスローズ。 四月にはどんな表情を見せてくれるだろうか。 クリスマスローズの花言葉「追憶」「わたしを忘れないで」  2024.3.18

「春の朝」

秒針の音の響きや春の朝  昨日、MRI検査で半月板損傷と確定。 手術を勧められるが、返事が出…

椿
2か月前
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「涅槃西風」

生涯に別れ幾たび涅槃西風  (しょうがいに|わかれいくたび|ねはんにし)  2024・3・11 …

椿
2か月前
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「二月尽く」

二月尽くさみしきものは月の暈  昨夜のことから始まる。 月に暈がかかって、光の粒子が濡れ…

椿
2か月前
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「春暁」

春暁や始発の笛の彼方より  寒気の緩んだ朝、日の出をカメラに納めようと暗いうちに外に出て…

椿
2か月前
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「春寒し」

春寒し壁の額絵のセピア色  作ってから七年が経過した押し花絵。 当時の写真をみて、その鮮…

椿
3か月前
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「長閑さ」

長閑さや幹打つ音の止みてのち  暖かな日差しの中  啄木鳥が幹を打つ音が聞こえてきました…

椿
3か月前
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「花散る」

花散るや散りて内なる花と咲く  昨年六月  散った芍薬の花びらを押し花にしておいた  庭に花のない今の季節に  ひとひらひとひら重ね合わせて  その姿を再現しようと試みる  もとの姿のままではないけれど  色褪せない花びらが  散りてなお美しい花の命をとどめている   2024・2・18