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俳句を詠んでみた(初咲き) 

初咲きの一輪白き忌日かな  

(はつざきの|いちりんしろき|きじつかな) 

椿に香りはないけれど、艶やかな美しい葉とぽってりとした花弁、黄金の長い蕊をもっている。
白い椿に似た人の命日に開いた一輪に、障子越しの冬陽が柔らかな影をつくっていた。

この句を詠むにあたり、触発された句がある。

さざん花の長き睫毛を蕊といふ

                野澤節子(八朶集)


一つだけ付いた椿の実